マヤラン


マヤランは玉川上水沿いで見られるランの仲間です。腐生植物。
いわゆる腐生ランの一種。
ラン科シュンラン属。


パッと見てランの仲間だと分かる花の構造。
かわいらしい花です。葉はありません


幻のラン」と騒ぎ立てるほどのものではないですが、菌類に依存した生活を送っているため、普通には栽培ができません。
たしかに見る機会は少ないのかも。

同じく腐生ランの一種であるタシロランもあわせて、玉川上水沿いの何ヶ所かで当たり前のように咲いています。
根拠はありませんが、腐生ランのいくつかは分布を広げているような実感があります。
手入れの行き届いていない林が増えていることが原因ではないでしょうか。

基本的には常緑樹林のような環境の林床で育つ植物のはず。
林の放置によって腐生ランが増える→近年の雑木林の手入れによって再び減る、なんてことがないと良いのですけどね。


こちらは春に咲くシュンラン。よく似ていますが、こちらはしっかりと葉が伸びます。



別の場所で撮影したマヤラン

「珍しい」とされることが多い植物なので、盗掘の可能性を考えると、こういったブログでも紹介するかどうか少し迷います。
もちろん具体的な場所は書きませんが。

ただ、数の少ない植物であること、菌に依存しているため移植は不可能なことを知られずに、気軽に摘まれてしまうことも心配です。
(林内ではなく、本当に普段から人が歩く散歩道のような場所の足元に咲いたりもするのです。)

隠すのではなく、「ここにマヤランが咲いています。絶滅危惧種です。移植はできません。」のような主旨の看板を立てることで盗掘されにくくなったというパターンもあるようです。
どうするのがベストか、難しいところですね。

宝井馬琴 講談「玉川上水の由来」

講談十八番集~宝井馬琴「玉川上水の由来」 一龍斉貞丈「命のて摺い」
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吉田吉之助『玉川上水物語』

講談「玉川上水の由来」の全体的なあらすじなどは、桃川鶴女 講談「玉川上水の由来」の方にまとめてあります。

「玉川上水の由来」が録音された貴重なCDです!

こちらの録音年は分からないのですが、五代目 宝井馬琴氏は明治36年生まれ。
やや古い感じの音質ですが、決して聞き取りづらいようなことはありません。

桃川鶴女さんのものと、この宝井馬琴さん以外の録音音源は今のところ確認できていません。
もしも他に「玉川上水の由来」の音源があればぜひ教えて下さい。

さて、肝心のその内容ですが、桃川鶴女さんの録音とほとんどが同じ。
「話の筋がだいたい同じ」なのではなく、一語一句完全一致している文が多いのです。
(講談がどうやって継承されていったかを考えると、そのことは不思議ではないのですが。)

微妙に表現が変わっている部分はあって、特に気になった部分は以下のもの。(敬称略)

桃川鶴女 玉川村の百姓
宝井馬琴 多摩川の在方で百姓をしている
※「在方(ざいかた)」は、田舎や農村のような意味。「多摩川の在方」というと、「多摩川沿いの田舎村」のような解釈でいいのかな?

* * * * * * * *

桃川鶴女 井の頭上水
宝井馬琴 神田上水
※井の頭上水は神田上水の別名なので間違いではない。ただ、現在は神田上水の方が一般的に思える。録音の新しい桃川鶴女さん版の方で井の頭上水としていることが意外。

* * * * * * * *

桃川鶴女 この功績をたたえまして、
石碑が四谷四丁目の交差点のところに『四谷大木戸水道牌』
そして兄弟の銅像が羽村の町に立っております。
宝井馬琴 なし
ラスト直前。
玉川兄弟の銅像は1958年(昭和33年)9月に作られたものなので、宝井馬琴版の録音時にはそもそも銅像がなかった可能性もある。

玉川上水できのこ大発生

2016年8月の末。台風がいくつもやってきました。
湿度の高い日、小雨の降る日が続き、その影響からかたくさんのきのこが発生しました。


場所によっては30mくらいの間に200個以上
この1枚の写真の中にも20くらい見つかるはずです。


まだまだ菌類のことは勉強不足。
たくさんのきのこが発生しても、そこから読み取れる情報が少ないことがくやしい...!!

一応、昨年と同様、きのこを見つけたら写真として記録することは続けています。
タマゴタケと玉川上水のきのこ(2015年に見つけたきのこの一部。)




上の写真は8月28日。下の写真は8月29日。
ちょっとずれているけど、だいたい同じ位置で撮影しています。
「数時間撮影したらきのこが大きくなる様子を動画にできるのでは!」と思っていたのですが、よく見ると一日経ってもほとんど大きさの変わっていないものがありますね!
そういうものなのか。


いつかじっくり勉強したい、きのこの仲間。

「夜の林のかげえ」上映会

8月27日(土)。
小平で「夜の林のかげえ」上映会が行われました。


羽ばたくアオバズク!(ちゃんと羽が動きます。)

本来は小平中央公園東側のどんぐり林で行われるはずのイベントだったのですが、雨天のため小川公民館での開催となりました。


子どもたちのつくった影絵。裏で操っているのも子供たちです。

玉川上水いきものたんけんたいシリー」のようなタイトルのついたプロジェクトの中のイベントで、いくつかの観察会に参加した子供がそこで得たインスピレーションを元に影絵をつくるような流れになっていました。
私が講師をつとめた「夜の観察散歩〜アオバズク探検隊〜」も、その観察会の中のひとつ。


特筆すべき点は、捕食シーンがたくさん登場したこと!
動植物の生態系としてのつながりがきちんと描かれました
(動物がうんちするシーンも...!!)
ライオン、ゾウ、キリンなど好きな動物を好き勝手に登場させているわけではなく、玉川上水で見た生き物、生息している生き物たちによる物語。これは大事。



影絵の不思議な魅力を再確認しました。


舞台裏のワンシーン。


雨天により野外上映できなかったことは残念でしたが、素敵なイベントでした!