イモムシのうんち

イモムシを飼育してみると、そのうんちの量に驚かされます。

状況や大きさにもよるのですが、ほとんどのイモムシが一日に十数個〜60個ぐらい、うんちをするのではないでしょうか。
若齢幼虫のうんちは粉のようなサイズ、中型のイモムシのうんちは2〜3mmくらいになります。

非常に興味深いイモムシのうんちですが、野外で発見することはかなり難しく(すぐにどこかへ転がり落ちて、土に混ざる)、自然観察会などで紹介することはなかなかできません。

あらかじめ、数時間前からイモムシのいる場所の下に新聞紙を敷いたりすれば、観察は可能なのですが...


そんなうんちを、野外で発見!
サルトリイバラの葉についていました。
サルトリイバラといえばルリタテハ。しかし、この時期にこのサイズのうんちをする幼虫はいないはず。さらに、食痕もありません。

まわりを探してみると...



真上にいた犯人!シャクトリムシです。


顔の黄色いこいつは、おそらくニトベエダシャクの幼虫。

真上でムシャムシャと葉を食べて、うんちをポロリ。

サルトリイバラの葉の表面はあまりサラサラしていないのと、風がそれほど強い日ではなかったので、落ちずに残っていたようです。

テントウムシの羽化

ナナホシテントウが羽化する様子を観察。
厳密には羽化というより羽化後です。

蛹から出てきた成虫に、だんだんと模様が浮かび上がってくる様子を撮影しました。


18:40の様子。
キイロテントウ!...じゃないよ。ナナホシテントウなんですが、完全な黄色で模様もありません。



裏側の様子。
幼虫から全く別物に変化したようにも見えるテントウムシですが、裏側を見ると幼虫と姿がよく似ています。中身はそのまま、背中に硬い殻を被ったようなイメージ。



19:05の様子。
うっすらと模様が見えてきました。


19:15の様子。
後羽根を乾かします。色が鮮やかで美しい!


20:20の様子。
模様がくっきりしてきました。
色も濃くなってきているように思いますが、まだまだ黄色。
 

22:00の様子。
変化は少なくなってきています。
模様部分はくっきり完全な黒色。
ただし、模様以外はまだまだ本来の赤色ではなくオレンジ色。
赤くなるまではかなり時間がかかるようです!

ルリタテハの若齢幼虫

ルリタテハの幼虫が見つかる時期になりました!

玉川上水では比較的よく見られるルリタテハ。
ルリタテハ

冬にも、成虫越冬している個体が暖かい日に飛んでいるのを見かけました。

春になってからはなかなか姿を見かけなかったのですが(タイミングの問題だと思われる)、ここ数日、サルトリイバラの葉をよく探したら、幼虫がちょくちょく見つかっています。

気が付かない間に産卵していたんですね。


孵化からそれほど時間が経っていないと思われる若齢幼虫。
4mmほど。かわいい。

この幼虫を家で飼育観察してみることにしました。


1日経過。体が黒くなっています。

ルリタテハ幼虫の大きな特徴であるトゲトゲはなく、生えているのは細かい毛のみ。

まるまって休むのも特徴ですね。

このサイズなので、うんちは粉にしか見えません。


2日経過。脱皮しました。
脱皮直後なので顔が明るい色!
下にある黒い塊が顔部分の脱皮殻です。
トゲらしいものが出てきました。


3日経過。
前回から脱皮はしていないはずですが、姿に変化があります。
脱皮後の時間経過により、体全体が黒色に落ち着いたようです。


引き続き飼育観察を続けます!

アカボシゴマダラの祈り


手を合わせて祈るポーズをとるアカボシゴマダラ。
(無事に蛹化できますように...)

体の固定は基本的に腹脚でおこなわれるため、胸脚部分は枝から浮いていることも多いのです。
これはゴマダラチョウ、オオムラサキなどの幼虫も同様。

秋の井の頭公園では、多数のアカボシゴマダラが見られたのですが、春にはかなり数が少なくなっています。
井の頭公園のゴマちゃん
ほとんどの幼虫が越冬できなかったのでしょう。

基本的に落ち葉で越冬するゴマダラチョウに対し、アカボシゴマダラは枝 / 樹皮上でも越冬できるため、たしかに過酷な環境にも強いのですが、さすがに株の根元に落ち葉一枚もなく、雑草も茂っていないような場所では越冬が難しくなります。