小平神明宮の八雲祭り 4月22日(土)、日が暮れた頃。 行ってきました、小平神明宮の八雲祭。 小平神明宮は、このあたりの歴史にとってとても重要な神社であり、村の拠点でした。 →小平神明宮 小川村の鎮守さま ちなみに、八雲祭は「やくもさい」ではなく、「やぐもさい」と読みます。 神明宮の例大祭は9月。 4月に行われる今回のお祭りは、末社の八雲神社のお祭りです。 予定されていた万灯行列は、雨天のため残念ながら中止になったものの、屋台もお囃子もあり、意外なほど盛り上がっていました。
新芽の展開 4月に入り数日経過。 樹木の新芽が目立つようになってきました。 とはいえ、雑木林のメインであるコナラ・クヌギはまだまだ緑色が目立ちません。 そのため、林全体を見て「春が来た」という感じになるのはもう1〜2週後です。 かなり新芽が早く出てきたマユミ。もうつぼみが見えます。 コナラの新芽は赤みを帯びる。 ミツバアケビ。まだまだつる性植物の姿は目立ちません。 ハリギリの新芽。 冬の間は「トゲの棒」状態でしたが、緑の彩りが。 ミズキの新芽。ここ数日で一気に葉が開いています。 イヌシデ。まだ小さいけれど、多くのシデがもう葉を展開しています。 こちらもイヌシデ。 ソメイヨシノは花のみ。こちらは花の後に葉を展開するので、まだまだ。 2月頃に見頃を迎えたカンザクラは、もう葉ばかり。 小さなサクランボも見えます。 ガマズミの新芽。 エノキの新芽。ようやく。 エノキ、ムクノキ、ケヤキ、どれも新芽が出てくるのは比較的遅め。 ヤマザクラの赤い新芽。 玉川上水の主な樹木の新芽スケジュール ◆2月下旬 マユミ、ニワトコ、ノイバラの新芽が展開 ◆3月上旬 シデの新芽が展開、コブシの花が開花 ◆3月下旬 エゴノキ、ミズキ、ガマズミの新芽が展開、ソメイヨシノが開花 ◆4月上旬 コナラ、クヌギ、エノキ、ムクノキの新芽が展開 こんなイメージでしょうか。
玉川上水の自然を残そうとする「不自然」 今回はあえて、普段と少し違う視点から玉川上水を考えてみます。 今までにも何度か書いてきたように、玉川上水はあくまで水路。土木構造物です。 何度か拡張工事、流路変更が行われてきたため、開削当時(1653-1654年)の姿がそのまま残っているとは言い難い部分もありますが、江戸時代の姿をよく残した、歴史的な価値のある構造物だと思っています。 その歴史的な価値を最大限尊重した時、今の玉川上水の姿はどう考えられるのでしょうか。 『玉川上水 武蔵野 ふしぎ散歩』 ある視点からは、現在の玉川上水を「荒れ果てた姿」だと考えることもできると思っています。 本来、水を清潔に保つため、管理が徹底されていた玉川上水の水路際にこれだけの林ができてしまっていることは、かなり不自然なのではないでしょうか。 現在特に雑木林的な環境になっている立川市内下流部~小平市内において、江戸時代にはどの程度の管理がされていたのか完全には分からない部分もありますが、小金井桜の名所だったエリアは、たった20年ほどでケヤキを中心とした雑木林に近い状態へ変貌を遂げたことが分かっています。 武蔵野に点在していた雑木林は減少しつつあります。そこに住んでいた生き物たちの「逃げ込み場所」のようになっている玉川上水の自然は、環境保全の視点からは大切にしたいものであり、今の時代となってはこういう自然こそ大事にすべきものではありますが、「江戸時代の構造物を当時の様子に近い形で残したい」という視点で考えると、今の状況は良い状態とは言えないのではないでしょうか。 あまり適切な例えではありませんが、あえて例えるならば、「江戸時代に作られた建物が荒れ果てて植物が生い茂り、そこが生き物たちの住処となった」ような状態だとも考えられると思います。 (もちろん、ただの荒れた林ではなく武蔵野の雑木林的な環境になっているので、玉川上水歴史環境保全地域 保全の方針でもその林を将来的にも維持することになっているのですが。その辺りを考えるとやはり適切な例えではない。) では環境保全視点を抜きに考える場合、玉川上水を本来の姿に戻すために樹木をすべて切り払ったら良いかというと、そんなこともないと思います。小平市内に深く掘られた法面は、いつ崩落してもおかしくないような場所がたくさんあります。上水路として活用されていた江戸時代は、水量がかなりあったため、常に壁面が潤っていたのですが、現在の水量ではどうしても乾燥・風化が進んでしまいます。 この状態で水路を覆っている樹木がなくなってしまえば、さらに急速に乾燥が進むことも考えられます。難しいですね。 玉川上水の樹木が伐採されることに、強く反発する人たちがいます。 もちろん環境保全視点の意見でもあると思いますが、その方たちの多くは古い時代の玉川上水を知らないパターンもある思っています。元々どういう状態だったのかは知らず、「樹木が生い茂っている玉川上水」を当たり前の姿だと思っているので、強く反発する、という方も少なからずいます。 実際、玉川上水関連団体の多くは、1990~2000年代に結成されています。 散策しているご高齢の方に話を聞いても、「仕事をやめてから散策をするようになったので、昔の姿はよく知らない」という場合が多いのです。 個人的には、「玉川上水の自然を残そうとする」ということの特殊性に注目してほしいと思っています。安易に「玉川上水の自然を守る」とは言わず、この林がいったいどんなものなのか、しっかり考えていってほしいものです。 まとめとして。 今となっては現実的ではありませんが、 ・玉川上水付近は土木構造物としての保全を優先して、徹底的な管理によりすっきりした水路とする ・玉川上水周囲の雑木林を動植物の住処として一定の面積を残し続ける これが両立できて、水量もたっぷり維持されていたら一番良い形だったのだと私は考えていいます。 それが実際には、 ・玉川上水付近は放置により雑木林的な環境になってしまった ・玉川上水周囲の雑木林は減少し続け、動植物の住処は玉川上水に移りつつある ・水量の足りない現在、素掘りの壁面を崩落させないためには林を残したほうが良い理由もある そのため、「玉川上水を雑木林として残すという特殊な方針が良いのではないか」というのが現状なのだと私は認識しています。
プロジェクト未来遺産2016「登録証伝達式」 以前記事に書いた通り、「玉川上水・分水網の保全活用プロジェクト」は「プロジェクト未来遺産2016」に登録されました。 →玉川上水、未来遺産へ その「登録証伝達式」が1月28日に武蔵野スイングホール レインボーサロンで行われました。 玉川上水沿い各市の市長さんによる祝辞、祝電もあり、大いに盛り上がりました。 日本自然保護協会の鶴田事務局長による祝辞も素敵なものでした。 日本自然保護協会によるブログ記事はこちら。 →「玉川上水ネット」の活動がプロジェクト未来遺産2016に登録されました。 こちらがその登録証。大事にしていきたいですね!