もう一段階、踏み込んだ調査を



1月から継続的に野鳥記録をつけております。
月ごとの野鳥データができあがってきました。
十数年前によく見られた野鳥と比較すると、分かってくることもいくつか。

また、樹木リスト、野草リストなどもある程度できてきています。

が、リスト作りというのはあくまで第一段階。
どちらかといえば自分が学ぶために、どんな動植物が玉川上水で見られるのか知るために作ったものです。

ここからもう一段階踏み込んだ調査がしたい...!!

というわけでこれから、いくつかの植物をじっくりマークして観察をしていきます
今までは「散策して気になったものを記録する/写真に撮る」ようなやり方だったため、「ある枝に付いている葉がどのように成長していくか」のようなことをじっくり調べることができていなかったわけです。
草本性の植物についても、花が咲いているものを探す場合が多く、一個体の芽吹きから開花までを観察するようなことがなかなかできていませんでした

ちょっと欲張って、身近な十数種類の新芽、野草の変化を追いかけます。
特定の枝、特定の株にしぼって、(ほぼ)毎日の変化を見ていきます。楽しみ!
 
調査する枝のひとつ。
コナラの若い葉はとってもやわらかく、細かい毛が生えています。
側脈はこの段階でも11〜12対ほど確認できます。
毛はどこかのタイミングで脱落するはず。要チェック。
葉の大きさも記録しています。


他にもやってみたい調査、気になっていること。
・野鳥のねぐら調査
本当は野鳥の一日の生活調査(どこから来てどこへ行くか)ができるといい。
カルガモなら根性さえあれば追い続けられるかも。
・樹高調査、幹周調査
・漂鳥/渡り鳥の移動時期調査
・環境の違いによる野鳥・野草の変化をまとめる
などなど

あとはやっぱり、具体的な目的を持つ調査をしたい。
つまりは、調査結果に対して「このような結果となったので、◯◯ということが分かった」と言えるタイプのもの。



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おまけ。
ツマグロオオヨコバイ。虫が苦手な方もいると思うので、虫画像は小さめにいたします。
ヨコバイの仲間です。今年は虫も学びます。

勉強メモ

「種」
個体同士が繁殖して何世代にも渡り子孫を残せる集まり

「個体」
ある「種」の単体

「個体群」
ある「種」の集まり

「群集」
個体群の集まり

「群落」
個体群の集まり(植物)

「動物群集」
個体群の集まり(動物)
※単に「群集」というと、一般には動物植物両方を合わせたものを指すため、動物のみの集まりのことは動物群集と呼ぶ

「生態系」
群集に影響を与える気候等の非生物的要素も捉えたまとまり

「器官」→「組織」→「細胞」→「遺伝子(分子)」
個体よりも下位のレベル

生態系、種、遺伝子の3つのレベルでの多様性を保全していくことが必要。


「α多様性」
一般にいう種の多様性。どれだけの種がいるか

「β多様性」
地域での環境の変化に沿って、主の組成がどれだけ変化するか

「γ多様性」
地域内の群集間の多様性
α多様性×β多様性=γ多様性

「ニッチ=生態的地位」
生態系の中での生物が占める位置
夜行性/昼行性や食べるものの違いによって、「ニッチが重なる」「同じニッチを占める」などという言い方をする
オタマジャクシ→カエルの場合、「ニッチを変化させる生物」と言える

「ガウゼの法則=競争排除則=競争排他則」
一つのニッチには、1種しか生息できない
ニッチが分化した場合は同じ環境でも共存が可能


味気ない記事なので写真を添えます。


・スイカズラの花は色が変わる
黄花と白花があるのだと思っていた!恥ずかしい。白→黄色へ変化する

檜原村の都民の森

行ってきました檜原村。

昔、「音の探検隊!」の企画で払沢の滝あたりまでは行ったのですが、今回はさらに奥地。
檜原都民の森」は山梨県との県境ギリギリ、奥多摩湖の南あたりに位置しています。

武蔵五日市駅から檜原街道を進んでいくと、もうあたりは樹木でいっぱい!

…なのですが、そのほとんどはスギ・ヒノキ林
自然がいっぱいに見えて、実際はある意味不自然がいっぱい

この時期、花粉症に悩まされている方は、その機会にぜひ、なぜこんなにもスギ・ヒノキ林だらけになってしまったのか関心をもってほしいものです。


檜原都民の森、到着直後。


さっそく見られるブナ
もちろんこの地点で標高1000mくらいなので、ブナが生えていることは何も不思議ではありません。
クヌギやヤマコウバシのように、ブナも春まで多くの葉が残ります。


本来はなめらかで地味なブナの樹皮ですが、コケや地衣類によって不思議な模様が生まれます。


側脈の先が鋸歯のへこみ部分に到達するという不思議な形状の葉。
イヌブナも同様なんですが、独特です。

しかし、ブナが見られるだけでなんだかうれしくなってしまう!


都民の森駐車場からすぐにたどりつく「森林館」。
動植物に関する展示も充実していて、情報が集まります。ごはんも食べられます。



しばらく山を登って行くと見られるワサビ田
奥多摩のワサビはおいしいよ!


今回、姿も鳴き声も楽しめたのはミソサザイ


10cmくらいしかない小さな体でちょこまかと動き回ります。

そのさえずりの美しいこと
このサイズからは信じられない声量の歌声が、山に響いていました
この時期に来て良かった!(さえずりの録音もバッチリ。)


見晴し小屋(標高約1400m)付近のブナ。
これも模様が美しい!


こんなふうに、針葉樹の中に見つかるブナも。まだ残る葉が暗い林に彩りを添えます。


「野鳥観察小屋」もあり。


ゆっくり休める小屋の中に覗き窓があり、ここから野鳥観察ができるようになっていました。


こちらが三頭大滝
三頭大滝は三頭山を源流とする南秋川の中で最大の滝。
秋川は最終的に昭島市付近で多摩川に合流します。一級水系ですね。
合流地点が羽村より下流ということで、残念ながら(?)この水は玉川上水には流れません。

  
比較的、広葉樹林や混交林が多い都民の森でも、やはりスギ・ヒノキが植林されたエリアが多く見つかります。
しかし、この滝の周辺、三頭沢は落葉広葉樹の多い私好みの林になっています。
ブナはもちろん、サワグルミ、サワシバ、ミズナラ、オヒョウ、ホオノキ、カツラ、トチノキなどなど。その他にカエデ類も豊富。

新緑の時期にまた訪れたらかなり美しい光景が待っていることでしょう!
また行きたいな。

ヨーロッパでの探鳥

しばらく昔(2009年)にヨーロッパのあちこちを旅行しました。
その頃には野鳥に特別な興味は持っていなかったものの、ちょうどいい所に鳥がやってきた時にはとりあえずシャッターを切っていました。



(撮影 2009年 スイス)
マガモのオス!日本のものと同じ姿。
日本に冬鳥として渡ってくるマガモは、ユーラシア大陸北部のものだと思うので、このスイスのマガモとは別物でしょうね。


(撮影 2009年 ドイツ)
日本では見られないイエスズメ
日本のスズメともかなり似ていますが、頭部の柄がハッキリと違いますね。


(撮影 2009年 スイス)
クロウタドリ。ブラックバード。
Beatlesの楽曲『Blackbird』でもおなじみ。さえずりはかなり美しい。録音機材も持っていった旅行だったので、このクロウタドリのさえずりもばっちり録音済み。
ヨーロッパではどこでも見られる身近な鳥。
見ての通り、ツグミ科。日本のツグミ科の野鳥ともおなじようなフォルムですね。


(撮影 2009年 フランス)
ウミネコに似たカモメ類の野鳥。
遠すぎて完全な識別は難しい。


なかなか機会はないけれど、海外で樹木と野鳥を観察する旅がしたいなー!
シベリアで、繁殖期のツグミも見てみたい。
アメリカやヨーロッパのブナも見てみたい!