ゴールデンウィークの高尾山



5月3日。早朝高尾山探鳥へ行ってまいりました。
6:45に駅集合。

登りは1号路→4号路
下りは3号路→2号路→琵琶滝→6号路のルート。

早めの出発でしたが、やはりゴールデンウィークという感じの混雑
ただ、観光気分で簡単なルートを登り降りしている方が大半なので、歩きにくい山道はかなり空いていました

山といっても標高600mの低山。多くの植物、動物は玉川上水でも見られるものですが、やはり違うところは違います。
ムササビが生息していたり、中間地点よりブナ・イヌブナが見られたり。
夏鳥の密度も段違い。
キビタキ、オオルリの歌声をたっぷり聞けました。
「違い過ぎない」という意味では、雑木林について学んだ延長上で山の植物、動物をもう少し勉強したい!というときにはぴったりの場所。


キケマンの花。


ハハコグサの花。


タチツボスミレの花。


シランの花。自生種?


タツナミソウの花。オカタツナミソウかもしれない。


キランソウの花。


オニノゲシの花。こんな場所でも外来種はたくさん入ってきます。ハルジオンもたくさん。



ブナの新緑!…新緑というにはちょっと初々しさが失われているでしょうか。
ある程度標高の高い場所ではないと見られない、大好きなブナ科の樹木。
イヌブナ・ブナを都内に住む人間が一番簡単に見られる場所が高尾山なのかも。
近づいてみてみると、結構毛が生えています。
そして相変わらず、側脈の先が鋸歯のへこみ部分に到達する葉の構造はおもしろい。


カエデ類を見上げる。きれい。


ギンランの花!


ジュウニヒトエの花。


ツリバナの花。


フデリンドウの花。わずかに咲いていました。玉川上水ではほとんど花が終わっている時期。


ホウチャクソウの花。チゴユリとともに、かなりたくさんありました。ただ、若干見頃過ぎ。


ミヤマカタバミの葉。後で調べないと名前が分からなかった。カタバミの葉のハート形をするどくした感じ。


種類を詳しく調べていないのですが、白花タイプのスミレ。


オナガアゲハ。


・出会った(声の聞こえた)野鳥

ツバメ(駅近く)
セグロセキレイ(駅近く)
シジュウカラ
コジュケイ
ガビチョウ
ウグイス
ヒヨドリ
コゲラ
ヤブサメ
スズメ
メジロ
ハシボソガラス
アオゲラ
キジバト
センダイムシクイ
イカル
トビ
ホオジロ
キビタキ
クロツグミ
オオルリ

・その他
カジカガエル

群落調査の実習

5月8日(土)。
訪花昆虫調査とあわせて、高槻成紀先生による群落調査の実習でした。



ある場所で、調査範囲を少しずつ増やし、そこで地表植物の種類がどれだけ増えていくかを記録する。
記録をもとに面積種数曲線(面積の拡大にともなってどれだけ種数が増えるか)のグラフを作成する。

調査方法メモ。

・場所を決める
・始点を決める。折り尺などを使って、そこから長さを測る
・10cm×10cmからスタートし、縦と横を順に倍の長さ(例外あり)にしていく

10cm→25cm→50cm→100cm→200cm
10cmの次を20cmにしてしまうと、20→40→80→160→320と扱いにくい数になってしまう。
10→25とすることで、その後が分かりやすくなっている。

調査記録例

範囲 見つかった地表植物
10×10 スイカズラ
10×25
25×25 コナラ
25×50 ヤマコウバシ
50×50 ヤマモミジ
50×100
100×100 シオデ
100×200 ボケ
200×200 センニンソウ、シュンラン

※範囲を増やすことで新たに見つかった種類を記録していく
※「地表植物」の調査なので、育ちきった木本性植物は含めない


これまた比較がとても楽しそうな調査です。
ただ、柵・フェンスのある玉川上水では調査可能な場所が限られていることが難点。

また、生えてきたばかりで若い葉が数枚ついているような状態で植物名が分からないと厳しいため、難易度が高い。
ただし、名前が分からなくても「種数」を記録することは不可能ではない。分からないものはしっかりと写真にとっておいて、詳しい人に後で聞くという手もある。

訪花昆虫調査の実習



5月8日(土)。
高槻成紀先生による訪花昆虫調査の実習でした。


小平市内、玉川上水の柵内にもかかわらず陽があたりハルジオンが群生している場所、その他エゴノキが多めに花をつけている場所など、数カ所で実際に調査を行いました。

調査方法についてのメモ。

・まずは場所を花を決める
・調査時間は10分を3セットほど
・植物の茎や葉にやってきた昆虫は含まない
・チョウ、甲虫、ハチ、ハエ、(アリ)を区別してメモする
(細かい種類が分かったほうがもちろん良いが、まずは大きな種類を区別して記録することが大事)
・トータルで何例集まったかも記録する
・比較調査をするときは、できれば複数人で同時に行う。できなければ急いで移動する

調査記録例
場所:◯◯橋から少し東 北側
花:マルバウツギ
時間:10:30〜10:40

10:30 ハチ
10:31 ハエ、ハエ、ハエ
10:32 甲虫
10:34 チョウ
10:36 ハチ、ハエ
10:38 チョウ

ただ、この書き方だと合計何例集まったのか数えにくい。
1例ごとに改行して書く、5つごとに改行する、などすると良い。


その他用語メモ
ポリネーション・・・花粉媒介。花粉をつけること。
ポリネーター・・・受粉虫。花粉をつける生き物。虫。

鷹の台雑木林昆虫観察会に参加しました

4月24日、鷹の台雑木林昆虫観察会に参加しました。

講師は高槻成紀先生、韓昌道先生。

鷹の台駅に集合し、玉川上水を上流方向に進みながら、虫の観察と植物の観察を行いました。

最近私はあちこちで樹木の新芽を定点観察していく中で、虫に食べられる葉がとても多いことが気になっていました。
例えば「エノキの新芽を食べる虫はどんなものが考えられるか」などなど、この機会に聞きたかったことをたくさん質問!

エノキの葉を食べる虫は、ゴマダラチョウ(最近はアカボシゴマダラが多い)、オオムラサキ、テングチョウ、タマムシ、そして多くの蛾の仲間など。
虫にはなかなか人気があるようです。
玉川上水では、実生によりエノキの若木はたくさん出ていて、そして結構な割合で虫に葉が食べられています。

あいにくの雨で、あまりたくさんの虫は観察できなかったものの、勉強になることが多かった観察会でした。

私も少し、植物の解説を担当。
キンラン、ギンランの花がたくさん見られ、盛り上がりました。



柵の軸となっている、広い面に虫が集まりやすいとのこと。
野鳥から狙われやすい気もしますが...観察不足なのか、こういった場所で虫を食べる野鳥は見たことがありません。




観察中に目立っていたサワフタギのつぼみ。
もう少しで開花します。