井の頭公園のゴマちゃん

井の頭公園で開かれた「三鷹の森自然かんさつ会」。
その下見のタイミングの頃からたくさん見つかったゴマちゃん。

観察会を行っていた場所の周辺だけでも、10頭以上!

しかし残念ながら外来のアカボシゴマダラばかりで在来ゴマダラチョウは見つからず。


珍しく、葉の上ではなく枝の上で休んでいた大きな幼虫。
角の片側にクモの巣の端が...


ゴマちゃんの仲間は、一日の大半を動かずに過ごします。
休んでいる間は顔を伏せているので、なかなか顔を見ることができないのですが...
こうやって枝につかまっていると顔がよく見えますね。


クモの巣がほどけた!(誰かがほどいた...??)


目が合ったのかも。(かわいい。)


食事中のゴマちゃん。


ムシャムシャムシャムシャ。
葉脈部分はあまり好まないようで、脈に沿って残るような食痕となります。


近くに蛹(抜け殻)もあり、イベント中にはセットで観察しました。


少し活動していた別の個体。

本当はゴマダラチョウ幼虫を見せられたら良かったのですが、その代わりのような形で、そっくりなアカボシゴマダラ幼虫を観察会の中で何度も紹介する形になりました。

中には「イモムシは苦手...」という方もいたのですが、一緒に観察していく中で、「よく見るとかわいいかも」とも言っていただけました。

ハイレベルな観察会だったら、この外来アカボシゴマダラが多いことの問題もお話したいところですが、今回はもっとシンプルに、まずは自然の面白さを発見してもらいたいと思っていました。そのため、外来種問題の話は基本的になし。

大きく「ゴマちゃんの仲間」というくくりでは、その魅力をちょっとは伝えられただろうか。

「三鷹の森自然かんさつ会」無事に終了しました!

 10月16日(日)。
井の頭公園で「三鷹の森フェスティバル2016」が開催されました。

その中でブース出展された「三鷹の森自然かんさつ会」。



NACOT(NACS-J 自然観察指導員 東京連絡会)を中心としたメンバーによるネイチャーガイド。
2名以上が集まればすぐに出発する30分のミニ観察会形式でした。
定時集合して1〜3時間ほど続けるタイプのものが多い(と思う)一般的な観察会とはちょっと違う形。
自然観察会に参加したことがない方でも、気軽に参加しやすいイベントとなっていました。


つぐみさんの制作した鳥たちもブースに展示されていました。
これが大人気!

 
ハエトリグモの書籍販売にあわせて、ハエトリグモ(実物)も展示していました。



なんと、総計150人以上の方に観察会へ参加していただきました!


「三鷹の森フェスティバル2016」のメインは音楽イベント。
ということで、来場者はあまり普段から自然と関わることのない方も多かったと思うのですが、だからこそ大きな意味のあるイベントだったと思います。

ご来場、ご参加、ありがとうございました!

「三鷹の森自然かんさつ会」が開催されます!

10月16日(日)。
今年も「三鷹の森フェスティバル」が開催されます!(リンク先はイベント終了後に消える可能性があり。)

場所は井の頭恩賜公園の西園(三鷹の森ジブリ美術館東側)。

野外ライブを中心に、たくさんの模擬店も出店されるようなイベントです。
その中の一つが「三鷹の森自然かんさつ会」。

期間中(11:00〜17:00)、2名以上集まればいつでも出発。
コンパクトな自然観察会が体験できます!
私も自然観察指導員として参加します。

ぜひぜひいらしてください。


下見中に見つかったゴマちゃん(アカボシゴマダラ幼虫)。小さい!

きのこの勉強を少し

特に6月〜10月くらいにかけて、玉川上水沿いではたくさんのきのこが見られます。
タマゴタケと玉川上水のきのこ

ただ、きのこは完全に専門外。

少しくらいはきのこについて説明できるように、少し勉強を進めます。

   
「きのこ」という言葉は、大雑把に分けて2つの意味で使われています。
1つは、一般的に「きのこ」だと認識されているものそれ自体を指す使い方。

実際にはこれは「子実体(しじつたい)」と呼ばれるもの。
植物における花や果実に相当する部分です。

もう1つの意味は、その子実体を形成する菌類のグループを指す使い方。
もちろん俗称です。
きのこの本体は地下に眠る菌糸です。
同じ菌類であるカビの仲間は子実体を形成しません。

「担子菌門」や「子嚢菌門」という専門的な言葉はありますが、「子実体を形成する菌類のグループ全体を指す言葉」はたぶん「きのこ」しかありません。


人間の感覚的には、一つの子実体を1個体っぽく認識してしまいそうになるけれど、前述した通り、植物における花や果実に相当する部分。
「きのこを一つ収穫した」というのは、植物の果実一つを収穫したようなものなのですね。


「きのこは世界最大の生物」というのも有名な話です。
同一遺伝子のため1個体と解釈できる菌糸がすさまじい大きさになる場合があります。
直感的にはそれを1個体と考えるのは変な感じがしますが、これも植物に置き換えるとちょっと納得。
一般的に「植物の大きさ」といえば、果実1つの大きさではなく株全体の大きさを言いますよね。


素朴な疑問と答えメモ

・きのこは植物?
植物ではない。光合成ができない。
独立栄養生物ではなく従属栄養生物。有機化合物を利用して生きている。
生態系の中の「生産者」である植物と違って菌類は「分解者」。

・カビときのこは違う?
同じ菌類。親戚。
カビは菌糸が成長して胞子と飛ばして増える。きのこは子実体から胞子を飛ばして増える。

・きのこはどんな場所に出る?
生活型によって異なる。
死んだ植物を分解する「腐生菌」のきのこ、植物の根と共生関係の「菌根菌」、動植物に寄生する「寄生菌」に大きく分かれ、それぞれが生育に必要な環境に出現する。
例えばマツタケはアカマツなどの松と共生関係にある。

・きのこはなぜあの形?
種類にもよるが、雨で胞子が濡れないための構造ではないか。
天気の悪い日には開かない(花粉が流れ落ちない)花が多い。
シダ植物の胞子のうも葉の裏側にある。