ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、キタテハ

記事のカテゴリーは「玉川上水の蝶」となっていますが、今回の写真は玉川上水で撮影したものではありません。

11月18日、稲城市内のとある川の親水域。
雨続き&寒い日続きでなかなか虫たちは動けずにいました。
この日に限り、午後にはややぽかぽか陽気。
たくさんの蝶たちが、吸蜜をしたり、日光浴をしたりしていました。



吸蜜するヒメアカタテハ


日光浴するツマグロヒョウモン


こちらはキタテハ

3種とも、オレンジ+黒系の柄なので、遠目にはまぎらわしい。

 
ヒメアカタテハの日光浴。気持ちよさそうです。

さて、玉川上水の蝶のページにも少し書いているのですが、ちょうどこの3種、ツマグロヒョウモンキタテハヒメアカタテハに、さらにアカタテハなんかも含め、かなり普通種でありながら、玉川上水の林内ではあまり見かけない蝶たちです。
また、秋になるとよく見かける蝶たちでもあります。

ツマグロヒョウモンやヒメアカタテハは、雑木林の中というよりは、もうちょっと明るく開けた場所に多く、玉川上水周囲の花壇や公園ではかなり普通に見られたりします。

キタテハの方は、食草であるカナムグラが玉川上水では局所的にしか生えていないため、見つかりにくい。

もう少し、「明るい水辺」のような場所が増えると、見られる蝶の種類は増えるのかもしれませんね。

イラガの繭

ある日、玉川上水沿いを歩いていると、こんな枝が落ちていました。


クヌギの枝です。 チョッキリのしわざにしては、太い枝。
何日か続いている雨風によって折れたものだと思います。
さて、その枝についている卵のような謎の物体...

これは、イラガの繭です!
正確には空繭。
この写真では分かりにくいのですが、羽化した蛾が抜け出した時の裂け目が上部にあります。
蓋のように取れていることもあるのですが、今回はつながっていました。

ヒロヘリアオイラガの空繭は良く見つかるのですが、このあたりでこのイラガの繭が見つかったのは初めて。

せっかくなので、回収。

あちこちきれいにして…


ケースに入れて、完成。
次回のステッチマルシェ等で、展示していこうと思います。

幼虫に刺されると危険ですし、ぜひ知ってほしい身近な虫の一種でもあります。


ところで、「繭」という漢字、何も見ずに書けますか?


ツマジロエダシャク


独特な翅の形、そして止まり方をしている蛾に遭遇!


調べてみると、ツマジロエダシャク
シャープな形状の前翅が美しい!
前翅と後翅の隙間を空けて開いた状態で止まっているのも独特ですね。

発生は春と秋の2回。

幼虫はクスノキの葉を食べるとのこと。
クスノキの葉に食痕を見つけた場合、ほとんどがアオスジアゲハのものだと思っていたのですが、このツマジロエダシャクが食べたものもあったのかも。


顔を拡大してみると、目玉のような偽瞳孔がハッキリ!
蛾というより蝶の顔みたいですね。

カキバトモエ


ネムノキです。
写真の真ん中あたりをよく見ると、樹皮ではない何かが見えます。


樹皮にそっくりな・・・


イモムシ!
カキバトモエという大きな蛾の幼虫です。

毎年この時期になると、樹皮にくっついている姿を見かけます。
食草はもちろんネムノキ。
低い位置に枝がある株で見かけたことはないので、葉を食べる姿は見たことがありません。


(撮影 2016年9月)
前年の同じ時期にも同じ木でばっちり遭遇しています。

どうも、ある程度育つと食事中以外は地面近くへ降りてくる習慣があるらしく、多いときには5〜6頭ほど見つかります。


成虫になると、びっくりするほど大きな姿に。
不思議な模様。色味や模様は個体差があり、また光の加減でもかなり印象が変わります。

夏の夜に、樹液を吸っているところをよく見かけました。