ビロードツリアブ

玉川上水で、なんともかわいらしいアブの仲間に出会いました。
ふかふかのビロードを体にまとい、長ーい口吻を持つ、ビロードツリアブです。


4月に入り、たしかに色々な虫たちが活動を始めていますが、まだまだ目立つ虫は多くありません。
そんな中、寒さに負けず積極的に吸蜜するビロードツリアブの姿は目を引きます。


ハナニラの蜜を吸蜜中。


「長い口吻」というと、蝶や蛾の仲間が思い浮かびます。
ただ、彼らの多くは体が大きく、小回りがききません。

ビロードツリアブは、小さな体でホバリング上手、さらに尖った長い口吻を持っていることで、かなり多くの花から吸蜜することができます。
植物との関係がとても興味深いアブです。


ハナニラは玉川上水沿いのあちこちで見頃です。
帰化植物。もうずいぶん定着しています。


※追記

玉川上水ではなく、小金井公園で出会ったビロードツリアブですが、口吻の長さが分かりやすい写真が撮影できたので、追記として掲載しておきます。

ウバタマムシを標本に


ウバタマムシを標本にしました!

アカマツの減ってきた玉川上水沿いではなかなか見ることのできないウバタマムシ。

記録のために、一頭くらいは標本にしたいと思っていたのですが、そもそもなかなか見つからないし、見つかったとしても数の多くない昆虫なので安易に標本にするのは躊躇します。

以前に玉川上水で見つかったウバタマムシも、少し観察した後にすぐリリースしています。
→ ウバタマムシ

しかし、先日野火止用水沿いを歩いていたところ、すでに死んでいるウバタマムシを発見。しかも、かなり良い状態。
これはしっかり標本にしよう!と思い、今に至ります。

なかなか良い形に展足できました。
大切に保存していきたいと思います。

トホシテントウ幼虫はヤマアラシみたいでかわいい


以前にも越冬幼虫を見かけたトホシテントウ。
越冬するトホシテントウの幼虫


うじゃうじゃうじゃ。

このトホシテントウ、頭がどっち側なのかずっと気になっていたのですが...



こんな頭でした!
かわいらしい顔をしています。
この個体は、かなりゆっくりですが移動中でした。

暖かかったからなのか、眠りから覚めてしまったようです。
少し場所を移動するための一時的な目覚めならいいのですが、本格的に覚醒してしまった場合、まだ食草の育っていないこの時期では餓死する可能性があります。


目覚めると分かりやすい頭の方向。
越冬中はうずくまるような格好になっているので、どっち側が頭なのかどうしても分かりにくいようです。

この姿はまるで...ヤマアラシ!
ハリネズミ...!?


寒い時期の樹液

夏にはコナラ・クヌギからたっぷり樹液が出ます
もちろん、それを求めてたくさんの昆虫たちが集まります

この樹液、寒い時期にはどうなっているのかというと...やはり出ています
ただ、その量はかなり限られています

一番樹液が出ていた時期と比べると、体感では5%くらい。
夏にあふれるほど樹液が出ていた場所のほとんどはカラカラ。
それでも、じっくり探せばわずかに樹液が出ている場所が見つかります。


そんな樹液を求めてやってきた蛾がここに。

キリガの仲間と思われるのですが、翅の模様がはっきりしていなくて同定困難。
ホソバキリガ、ブナキリガ、カシワオビキリガ、このあたりに近い種でしょうか。


首周りはふかふかしています。
これがあるので、寒い季節でも行動できるのでしょうね。たぶん。


横から見ても、かなり毛が多いことが分かります。
ふかふか。


「蝶の口はストロー状になっている」とよく言われますが、実際は2つの管というか、樋のようなものが組み合わせる形になっています。
この写真でも、口吻の中央に分かれ目が見えます。


近くに来ていた、たぶんアシナガヤセバエの仲間。


近くを歩き回っていたクチキムシ。
少しずつ暖かくなってきて、活動する虫が増えてきています。