玉川上水での録音実習


7月に入り、玉川上水も本格的に夏です!!

といっても、市街地と比べたら林内はずいぶん涼しい。
おそらく2〜3度くらい低いのではないでしょうか。

さて、虫の調査で散策していたところ、どう見ても林を散策する格好ではないあやしい学生の集団に遭遇

いったい何の集まりなんだ?と気になり近づいてみると、なんと出身音大、出身学科の学生たちでした。


マイクをセッティング!
録音実習の授業です。


玉川上水 小平監視所の先に、水面近くまで降りられる場所があります。
そこにマイクをセットして、録音開始。

音大というとクラシックのイメージが強いかもしれませんが、国立音楽大学音楽文化デザイン学科のカリキュラムの中には「録音演習」もあるのです。

国立音楽大学は玉川上水駅からすぐ近く。
自然音を録ろうと思ったら、玉川上水が最適なのです。
基本的に毎年、ここで録音実習の授業が行われています。


流水音をレコーディング中!
再生水が流れはじめる地点では、滝のような音を録ることができます。


スズメバチが多い季節。

林内はなるべく長袖長ズボンで移動しましょう。
熱中症にも気をつけて!

『東京人2016年07月号』に東京のタヌキと玉川上水の記事

東京人 2016年 07 月号 [雑誌] 
東京人 2016年 07 月号 [雑誌]


最近とてもお世話になっている高槻成紀先生の文が掲載されています。
タイトルは「東京のタヌキ」。
題の通り東京のタヌキについて、そして玉川上水の自然についての短文となっています。


事故で命を落とした玉川上水のタヌキの剥製



高槻先生は記事中に
「私たちの暮らしているこの場所にタヌキがいる」という思いを持ちながら暮らすのと、そうでないのと、どれほどの違いがあるだろうか。
と書いています。

「私たちの暮らしているこの場所にタヌキがいる」。
大事ですね。

もちろん「タヌキが住んでいるのでこの林には価値がある」と直結しなくてもいいと思っています。
ただやはり、タヌキをはじめとするたくさんの動植物が一所懸命生きていることを知ってもらって、その上で生活の中での様々な選択をしていってほしい。そう願います。

『東京人2016年07月号』には、この「東京のタヌキ」以外にも、たくさん都心の森についての記事が掲載されています。(なかなか勉強になりました。)
オススメ!

玉川上水の解説パネル

西武拝島線 / 多摩都市モノレール 玉川上水駅の南口を降りると、東西に玉川上水が伸びています。
水路の北側を東にほんの1分ほど歩くと、すぐにこの解説パネルがあります。

こういった解説パネル類は、市の教育委員会によるものが多いのですが、こちらは違います。
このパネルのすぐそばにあるのはマンション「エルシオ玉川上水
マンション建設事業主は西武鉄道の関連会社。
このパネルも、西武によるものだそうです。


書かれている内容の監修を「玉川上水の自然保護を考える会」のメンバーで行ったとのこと。
なかなか良い解説パネルになっています。

汚れやすいパネルですが、私が時々掃除するようにしています。

玉川上水駅を降りたらすぐに見られるので、このあたりを散策するときにはぜひ。

玉川上水のホタルとその問題


かなり昔の玉川上水では、それはそれはたくさんのホタルが舞っていたようです。

今でも玉川上水や関連水路の一部ではホタルが見られますが、幼虫やカワニナの放流を行っている場所、イベント的に成虫を大量放流している場所がほとんどです。
すべてを把握できているわけではありませんが、遺伝子的にも、もともとここにいたホタルではない場合がほとんどのようです。

ホタルの放流については、やはりたくさんの難しい問題を抱えています。
間違いないのは、「ホタルさえ飛んでいれば自然度が高い」わけでは決してないということです。


ひと昔前には、あちこちでホタルの復活が自然保護のシンボルのように扱われていて、今でもその流れを引きずっている感じがあります。
玉川上水関連団体との集まりの中で「ホタルのいない川に価値なんかない!」という声が聞こえたこともありました。
とても危険な発想だと思います。

ホタルが生息できるような環境を整える・維持することは大事ですが、その進め方には常に注意していく必要があると考えています。

玉川上水で関係するいくつかの市民団体は、昔から継続的に幼虫やカワニナの放流を行ってきています。

力及ばず、すべてを説得して止めるようなことはできていませんが、どうにかしていきたい問題です。

玉川上水の自然を残そうとする「不自然」