拝島から羽村まで玉川上水散策 野鳥編

拝島駅付近→取水堰まで、寄り道しながらの玉川上水散策でした。
タイトルを「野鳥編」としたのは、ひとまず野鳥関連についてのみ書こうと思ったためです。
野鳥以外にも多くの発見がありました。

拝島駅から玉川上水へ

日光橋・日光橋公園

水喰土公園・水喰土堀跡

ほたる公園

中福生公園

田村酒造場

加美上水公園・中西悟堂「野鳥村」構想の地
玉川上水旧堀跡

少し多摩川散策

羽村取水堰


1月22日(金)9:30〜13:30
玉川上水野鳥メモ

カワセミ 3ヶ所
ヒヨドリ
ムクドリ
ジョウビタキ
コゲラ
エナガ
シジュウカラ
ヤマガラ
メジロ
アオジ
カルガモ
マガモ 10ペア以上
ツグミ
シロハラ
カワウ(上空)
アオサギ
コサギ
ダイサギ
モズ
ハクセキレイ
ハシブトガラス
キジバト
スズメ

小平監視所先で キセキレイ

多摩川のみ ホオジロ シメ カイツブリ

判別できなかったキツツキ類のドラミングあり。(コゲラの音量ではなかった)


・今年は飛来数が少ないと思っていたマガモ、福生よりも上流には結構な数がいる。立川・小平あたりにはやはり少ない
・カワウが見られるのはどのあたりまでだろうか?多摩川から離れすぎている場所には来ないと思う
・福生よりも上流ではシメ、イカルに遭遇せず(多摩川にはシメがいた)
・福生市内の土手にほとんど木の生えていないエリアがあり、そのあたりは当然野鳥の姿が見えない。しかし加美上水公園周辺はとてもにぎやか
・アオジもたくさん見られた。下流ではちょうどいい藪が少ないのか、数が少ない気がする
・ガビチョウの目撃、鳴き声も無し


マガモのオスとメス。


揃ってこのポーズ!


はっきりと樹液を食べているところは初めて撮れました。メジロ。


ひさびさ玉川上水のカワセミ。
タイミングさえ合えば、毎日会うこともある野鳥なんですけどね。


加美上水公園でエサを探す。雪とツグミ。

 
多摩川付近でホオジロ。よく見るとくちばしの色が薄い。
明るく開けた場所の藪にしかいないようで、玉川上水の藪では見たことがありません。
すぐ近くで見かけることはあるのですが...


ヤマガラ。


アオサギ。
羽村取水堰が近づくと、水路外にいるサギ類を見かけます。立川あたりより下流ではほとんど見られない光景。

 
ダイサギもこの通り、水路の外に。


たぶん眠っているアオサギ。顔をしまうと毛のかたまりに。
野鳥に詳しくない方が突然これを見たら驚きそう。




ちょうど魚を捕らえたダイサギ!
コサギと並ぶと親子のように見えます。もちろん実際は別種。

さて日頃からの疑問。
玉川上水の水量が多かった頃、彼らはどうしていたのでしょう?
自然の川なら部分的に浅い場所もあるけれど、玉川上水は堀状になっています。
水量が多かったら、足が水底に届かないのでは。


ジョウビタキのオス。顔が小さい?


ソメイヨシノにとまる、玉川上水のスズメ。
付近の住宅地にはたくさんいるものの、「玉川上水のスズメ」は意外と貴重!


エナガはふかふか。


番外編その1。拝島から羽村までの散策とは別に。
小平監視所の先、処理水が流れ始めるあたりにキセキレイがいました。
ハクセキレイと、単なる色違いではなくてシルエットも微妙に違う気がしているのですが、どうなんでしょう。
キセキレイの方がスラっとしている印象があります。


番外編その2。
大雪により落ちてきてしまった巣。
形も崩れているし、過去に使い終わったものだといいのですが。
シュロの毛を中心に、綿のようなもの、そしてビニールと細い枝などを組み合わせて、器用に編みあげられていました。


 
番外編その3。
アメリカの鳥。
福生エリアでは低い位置を飛んでいるのをよく見かけます。

1月の読書記録

日本野鳥の会 監修(1997)『水辺の鳥』北隆館.
日本野鳥の会 監修(1998)『野山の鳥』北隆館.
竹下信雄(1989)『フィールドガイド1 日本の野鳥』小学館.
竹下信雄(1995)『野鳥カタログ』永岡出版.
大作栄一郎,柴田敏隆(1981)『東京の野鳥』東京新聞社出版局.
♪鳥くん(2009)『バードウォッチングの楽しみ方』枻出版社.
日本野鳥の会レンジャー(1992)『あなたもバードウォッチング案内人』財団法人 日本野鳥の会.
日本野鳥の会(1985)『窓をあけたらキミがいる ミニサンクチュアリ入門』財団法人 日本野鳥の会.
安西英明(2008)『基本がわかる野鳥eco図鑑』東洋館出版社.
日本鳥類保護連盟 編(1985)『東京周辺ベスト探鳥地78』日本交通公社.
岩瀬徹 監修(1993)『日本の山野草』成美堂出版.

三浦朱門(2000)『武蔵野ものがたり』集英社新書.
三浦朱門(1982)『武蔵野インディアン』河出書房新社.
高橋敬一(2009)『「自然との共生」というウソ』祥伝社新書.
柳田國男(2011/1940)『野草雑記・野鳥雑記』岩波文庫.
小林照幸(2007)『野の鳥は野に 評伝・中西悟堂』新潮選書.

足田輝一(1977)『雑木林の博物誌』新潮選書.
広井敏男(2001)『雑木林へようこそ!』新日本出版社.
全国雑木林会議 編(2001)『現代雑木林事典』百水社
福嶋司(2006)『森の不思議 森のしくみ』家の光協会.
桜井善雄(1991)『水辺の環境学』新日本出版社.

住 博(2003)『自然をケアする仕事がしたい!』彩流社.
(2000)『自然と環境の全資格ガイド』学習研究社

高森瑞子,涌井良幸(2010)『理科のおさらい 生物』自由国民社.

玉川上水の自然保護を考える会(1995)『活動報告書(平成元年〜平成5年) 』
多摩信用金庫(1976)『多摩のあゆみ Vol.4 特集 玉川上水』多摩信用金庫



*ピックアップ&一言感想

森の不思議 森のしくみ
福嶋司(2006)『森の不思議 森のしくみ』家の光協会.
森や林を中心とした生態系を学ぶ第一歩にとてもおすすめ。
予備知識がなくてもスッキリ読みやすい難易度。
分かりやすい内容だと思う。


雑木林へようこそ!―里山の自然を守る
広井敏男(2001)『雑木林へようこそ!』新日本出版社.
作者自身も本の中に書いているが、やや「武蔵野の雑木林」に内容が偏っている。
武蔵野在住ならば読んでいて共感できる部分が多いと思うし、その逆もあると思う。
少し雑木林を美化しすぎているような感じもあったが、あくまで雑木林は人工のものであり「本来の自然」とは違うこと、人の手を加えず遷移に任せるような方向性もありえることはきちんと紹介されていた。


おとなの楽習11 理科のおさらい生物
高森瑞子,涌井良幸(2010)『理科のおさらい 生物』自由国民社.
中学で学ぶ生物の授業のおさらい。
あらためて読んでみて、中学で習う内容があまりにもマニアックすぎて笑ってしまった。
「理科の授業」が歴史の中でどのように組み立てられていったのか、そしてそのカリキュラムの狙い・目的も全く知らないような状態なので、教育批判をするつもりは全くない。
ただ、この授業を行っても、「『細胞壁』や『ゴルジ体』は知っているけれども身近な植物の名前は知らない」状態になってしまいそうな印象を受けた。
なんとも言えない。


バードウォッチングの楽しみ方(趣味の教科書)
♪鳥くん(2009)『バードウォッチングの楽しみ方』枻出版社.
野鳥観察入門時の一冊として、『基本がわかる野鳥eco図鑑』と並んでおすすめ。
そして、鳥くんが作曲家であることに驚く。(知らなくてすみません。)
本来は「音」との結びつきも強いはずの野鳥。
もっと音楽畑に野鳥愛好家が多くてもいいと思うのですが、なかなか少ないのが現実。
「環境音」というくくりでは興味を持っていたり、実際に野外録音したりする人はいるものの、具体的に野鳥ごとの鳴き声に興味を持ち、その保全に努めようとするような人は圧倒的に少ない感じ。


野の鳥は野に―評伝・中西悟堂 (新潮選書)
小林照幸(2007)『野の鳥は野に 評伝・中西悟堂』新潮選書.
中西悟堂のことは、いつかじっくり知りたいと思っていた。勉強始めの一冊。
人物像も、歴史の流れの中で彼が行ったことも、しっかりと伝わってくる。
ちなみに、多摩のあゆみ 第77号が中西悟堂特集であり、こちらは無料で入手できる。

冬のイヌシデを学ぶ


今回の大雪によって、大きなイヌシデの枝が折れてしまいました。


これだけ冬芽が出てきていた枝が折れてしまうのはちょっと残念。


ただ、あちこちで見られた他の折れた枝と同様に、病気のような緑の斑点が。
やはり弱っていたんでしょうか。
樹木の病気については完全に専門外。後で詳しい方に聞いてみようと思います。


さて、残念ではありますが折れてしまったものは仕方がない!
この機会にしっかり勉強させていただきます。
見にくかった冬芽を近くで観察するチャンス。


間近で見やすい!
イヌシデの冬芽。頂芽には虫こぶと思われるものが。
球状に異様に頂芽が大きくなります。イヌシデメフクレフシ


形がまとまっている夏〜秋頃のイヌシデの果穂は、ミノムシのようにも見えます。
この写真ではすでにバラけてきていますが、冬にしてはまとまっているかと。


雪に感謝!
地面に雪が積もっていたおかげで、とっても見やすい資料写真が撮れました。

あいかわらずシデ類の識別には自信がないのですが、この果苞の形によって、イヌシデであることがはっきり分かります。
風を受けるとひらひらと飛んでいくような形状になっています。
前回の探鳥会の時にも、そういえばひらひらと飛んでいたような。

2016年の雪景色

何年か後に見た時のことを考えて、まずは説明を。

この記事を書いたタイミングは1月18日(月)です。
2015年度は極端な暖秋・暖冬の傾向があり、紅葉の遅れ、春咲きの花の1月開花など、「冬がない」ような状態が続いていました。
が、2016年1月17日から18日にかけて、強烈な寒波が襲来。
広く関東地方で積雪しました。(秩父34cm、東京でも6cm)
交通機関も大混乱。この後も北日本では猛吹雪の恐れがあるんだとか。

多摩地域でもしっかりと積雪しました。
17日の朝の時点で歩きにくい量の雪が積もっていました。
朝はまだ強い雪が降っていましたが、昼近くにほぼ雨に変わっていました。


さて、以前の記事にも書いた2006年の玉川上水雪景色。

  (撮影 2006年1月)

そしてこちらは、2016年の玉川上水雪景色!

(撮影 2016年1月)

ちょっと撮影時の色味の違いが気になりますが、それにしても10年...!!
もうずいぶん長く玉川上水を見続けていることを実感しました。




やはり、落葉樹の雪景色はきれい。


マユミに積もる雪。


まだわずかに、落ちずに残る葉があります。
「雪の積もるコナラの葉」はちょっと貴重な気がしたので撮っておきました。



雪の重みで、あちこちの枝がバッキバキに折れてしまいました。
しばらく、樹の下の通行は危険だと思います。


折れた枝を見てみると、その多くはキノコ類がついているものや、病気っぽい斑点のあるものでした。
もともと弱っていた枝がどんどん折れているのでしょうね。
邪魔になりそうな枝は脇へ避けておきましたが、まだまだ枝が落ちそう。


雪の重みで普段よりもずっと枝が垂れ下がり、通行しにくくなっています。

 
さてここで謎!
こんな風に、雪に立っている折れ枝があちこちで見られました。
いったいどうしてこうなったのでしょう?

周りに足跡はないため、人の手によるものではないようです。
折れた面を下にして、刺さるように地面に落ちたのでしょうか。そんなバカな!


 
水路の水量は明らかに増え、部分的に凍結気味。
流れもかなり早く、普段なら流れなさそうな枝やゴミもどんどん流れて行きました。

   
寒いね!


畑の中を元気にちょこちょこ走り回るハクセキレイ。

哺乳類の足跡がないかしばらく探してみたのですが、見つけられず。
早朝から犬の散歩をする方も多いので、紛らわしい!


ムクドリはこんな日でも活発。やはり数十羽の群れで移動していました。


寒そう!

この日見つけた野鳥は、ムクドリ、コゲラ、エナガ、ツグミ、ハシブトガラス、ハクセキレイ、メジロ、ヒヨドリ、カルガモ、キジバト、ドバト。
本当はもっといたのかもしれませんが、雪(雨)音と視界の悪さで探しにくい日でした。


「雪の積もる桜」を撮りたかったのだけど、結構解けてしまっていました。残念。


小平監視所前に、枝と葉が大量に溜まり、そのまま凍結しそうになっていました。
これは大丈夫なんでしょうか。