オオシマカラスヨトウ

しばらく前に、正体不明のシャクトリムシがサクラの葉についていたことがありました。
姿がはっきりするまで成長を見守ろうと飼育することにしたのですが、食樹であるサクラの葉を採集したところ、さらにそこに3頭のシャクトリムシがついていました。(気が付かなかった。)
せっかくなので、そのまままとめて育てることにしました。

ところが、そのうちの1頭がシャクトリムシとは思えないほどぶくぶくと太っていき...

はい、シャクトリムシではありませんでした。
(しっかり観察していればもっと早くに気がついたと思います。うーん。)

おしりがとがっている!


典型的なイモムシ顔。どんどん大きくなる体。
シャクガの仲間ではありません。

このイモムシは、オオシマカラスヨトウの幼虫!




7月に撮影した成虫。
雑木林の樹液周辺で、夏から秋にかけて非常に多く見られるヤガの一種です。
玉川上水でも、夜の林でよく出会う定番の一種。


卵越冬し、春に孵化。初夏に蛹化し、7月頃より羽化。
見られる期間が長いので、年2化だと思っていたのですが、1化。
暑い時期に夏眠するので、その分長生きできるということか。


今はサクラの葉を与えて育てているのですが、実際はもうちょっと広範囲の葉を食べるタイプ。(ブナ科やエノキなんかも食べるらしい。)

はぐれたミノウスバ


この時期、ウジャウジャまとまった集団が見られるイモムシ。
気持ち悪いと言われてしまうこともあります。
ミノウスバの幼虫です。

  
マサキマユミの葉で見られます。

マサキとマユミは共通点が多く、どちらもニシキギ科。
しかし、マサキが常緑樹なのに対してマユミは落葉樹
葉の質はぜんぜん違い、花や実のない時期にちょっと見ただけでは無関係の樹木のようにも見えます
それでも、このミノウスバが両方を好んでいることで、たしかに同じグループの植物であることが実感できます。



幼虫は集団で行動し、通り過ぎた後にはほとんど葉が残りません。

家に植えてあるマサキ、マユミやツリバナに来てしまったときは大変です。


脱皮した跡。皮の部分と黒い顔の殻が見えます。
自分の脱皮殻を食べるイモムシも多いのですが、ほぼ残っていますね。

ここに幼虫の集団は見当たりません。
しっかり食べて、脱皮して、また別の株へ移動したのでしょう。



よく探してみると、一頭だけ見つかったミノウスバ幼虫。

はぐれてしまったのでしょうか?

それとも、そろそろ単独行動する時期で、偶然ここにやってきたのでしょうか。

ゴマダラチョウの目覚め

冬の間は落ち葉にくっついて、エノキの根元で越冬していたゴマダラチョウの幼虫。
新春ゴマダラチョウ探し

春になり、新芽が開き始める頃、眠りから覚めて木を登ります。
その様子を写真に収めることはなかなか難しいのですが、運良く登りはじめたタイミングで出会うことができました。


エノキの大木をひたすら登る、登る。


20m近くもある大木をぐんぐん登って枝先まで移動するのだから驚き。


その様子を動画でも撮影しました。
ほんの数秒だけ掲載。

(GIFファイルです。環境によっては再生できない場合もあります。)

大木を登ってしまったゴマダラチョウはなかなか観察が難しい。
もっと低い枝についてくれたら良いんだけど...

オオミズアオの空繭



玉川上水沿いで、オオミズアオの繭がたくさん見つかっています。

ほとんどはすでに中身が空っぽの空繭なのですが、時々「もしかしたら中身が入っているかも」というものも見つかります。(オオミズアオは繭(蛹)越冬。)

脇に穴が開いているものは、寄生蜂にやられたのかも。


今年も成虫にたくさん出会えるといいな!
(オオミズアオ以外のヤママユガ科もいたらいいな!)