つる性植物攻略


つる性の植物があまり得意ではありません。
といっても、今まで葉だけで判別しようとしてこなかったために苦手なだけで、難易度的にはそれほど難しくないはず。
それぞれの葉に分かりやすい特徴があります。

つる性植物勉強週間!

上の段は左から
ヘクソカズラオニドコロボタンヅルセンニンソウ
下の段は左から
スイカズラヒルガオツルウメモドキ

ヘクソカズラ・・・対生、基部が心形、臭い
オニドコロ・・・互生。基部からたくさんの脈。細長いのはヤマノイモ。ヤマノイモは対生。
ボタンヅル・・・キンポウゲ科のつる性。対生。
センニンソウ・・・対生。ボタンヅルとそっくりな花。葉は全く違う。
スイカズラ・・・玉川上水の一部で大繁殖。対生。毛が多い。全縁。幼木では切り込み入りの葉もある。
ヒルガオ・・・独特な形状なので分かりやすい。互生。コヒルガオとの区別は難しいが、今はそこは気にしないでおく。
ツルウメモドキ・・・ニシキギ科。鋸歯がある。互生。つる性ではあまり似た葉はないはず。


他に玉川上水で見られるつる性の植物は
ウマノスズクサテイカカズラキヅタツタヤブガラシ
ツルマメヤブマメサルトリイバラアマチャヅル
クズカラスウリアレチウリコボタンヅルマルバルコウ
キウイフルーツアケビミツバアケビノブドウツルニチニチソウ
アカネクマヤナギヤマノイモナガイモヒヨドリジョウゴカナムグラなど。
周囲の民家から入ってきたであろうノウゼンカズラも見つかることがある。
カラスノエンドウスズメノエンドウシオデも。つるがあるけれど、わりと直立する。
木本ではフジナワシロイチゴサネカズラなんかも。

多い!

ツルマメ・・・3小葉。
クズ・・・大きめの3小葉。
アマチャズル・・・鋸歯のある5小葉、時に3 or 7。
カラスウリ・・・大きめの葉。鋸歯+3~5浅裂。
アレチウリ・・・外来。浅めに5~7裂。
コボタンヅル・・・ボタンズルの葉をさらに小さくしてもう一回分かれる。つまり2回3出複葉。
マルバルコウ・・・オニドコロに似る。葉の縁の一部がとがりやすい。
ウマノスズクサ・・・互生。ヤマノイモ系の葉の先端を丸くしたような感じ。
アケビ・・・楕円系5枚の小葉なので分かりやすい。細長くなる場合もある。
ミツバアケビ・・・3出複葉、かなり浅い波のような鋸歯。
サルトリイバラ・・・互生。とげあり。真円に近い円形。先はとがることも。


追加写真。
上の段左から
ノブドウノブドウキヅタキヅタ
下の段左から
サルトリイバラアケビスイカズラヤブガラシ

ノブドウは葉と巻きひげが対になっていることが特徴。茎を見ると、対生?と勘違いしそうになるが、片方には葉がついていない。裏面脈上に毛。

キヅタは互生。葉の形、大きさに変化の幅があるものの、似たような常緑つる性の植物は少ないので分かりやすい。民家に生えている、やや角ばったり斑が入ったりしているものはセイヨウキヅタか。

サルトリイバラは互生。サルトリイバラ科。円形だが、やや細長くなることも。丸っこくて、脈が特徴的で、とげもあるため、他との区別は簡単。

ヤブガラシ。鳥足状複葉5枚。互生。若い葉や茎が赤褐色。

アヤメの雄しべと雌しべはどこにあるのか


アヤメの雄しべと雌しべはどこにあるのか!
よく考えてみたら知りませんでした。
今日、それを実感する機会がありました。


アヤメ、カキツバタ、ハナショウブ、シャガなど、アヤメ科の植物は共通した仕組みを持っています。

これらの花の、外側に広がる大きな花弁のような部分は外花被片
立ち上がっている部分が内花被片。それぞれ3つずつあります。
それらとは別に、外花被片の付け根から小さな覆いがあります。これが花柱
ここをめくると、中に雄しべがあり、花柱先端の下側に柱頭があります。


屋根状の花柱は、雄しべの花粉を雨などで流してしまわないように、まさに屋根の役割を持っているようです。


アヤメの花粉を運ぶ(訪花昆虫)のはハチの仲間。主にトラマルハナバチ
ちょうど今日、蜜を目当てにやって来ました。


アヤメだけでなく、全てのアヤメ科の特徴である外花被片の模様
これが蜜標(みつひょう)となっていて、「ここに蜜があるよー!」というガイドになっています
それを頼りにやってきたトラマルハナバチが花柱をめくって中へ潜る。
蜜を吸おうとゴソゴソしている間に雄しべの花粉が体に付きます。
その後、別の花へ移ればバッチリ受粉!


とてもよくできたシステムです。
合理的な花の仕組みと、それを当然のように利用する虫の習性にびっくり。
よくできすぎていて驚く!

虫と植物の関係は本当におもしろい。
とにかく、納得できることが多くて楽しい世界。
虫と植物とセットで学んでいくことが大事ですね。

5月の花だより

玉川上水で見られる野草、山野草、雑草、樹木、花をご紹介!


コブシの未熟果。


ヒルザキツキミソウの花。


コヒルガオの花。


ヒョウタンボク(の仲間)の花。
スイカズラと花の形がほとんど同じタイプ。何とかヒョウタンボク。


ニワトコの果実。


マユミの花。


ノイバラの花。


ガクウツギの花。


エゴノキのつぼみ。あとちょっと!


アヤメの花。


フタリシズカの花。


エノキの果実。


ウグイスカグラの果実。


オオバコ。4月の終わりごろから目立つ。


チゴユリの果実?


ヤマツツジの花。


タツナミソウの花。


カラマツソウのつぼみ。


シランの花。


ミヤコワスレ(園芸種)の花。
山地に生えるミヤマヨメナからつくられたもの。


ヤブガラシ。

エゴノキの種の中身は

玉川上水の樹木の中で、本数としては一番多いかもしれないエゴノキ。
種はヤマガラの大好物。

その種に関して2つの疑問がありました。

・種はどのくらい堅いのか(ヤマガラは種の殻を割って中身を食べる)
・たくさんの種が地面に落ちているわりに実生が少ないのはなぜか

まずは、堅さを調べるために種をひとつふたつ持ち帰り。
手でつぶそうとしても、やはり無理。
ペンチを使い、パキっと割ってみると...中には小さな虫が!


調べてみると、エゴヒゲナガゾウムシの幼虫だそうです。
エゴノキのことをチシャの木と言うことがありますが、この幼虫のこともチシャムシと言う場合があるみたいです。


種をよく見てみると、見つかるのが産卵跡。
上3つが分かりやすいと思います。
中心に小さな穴が空いているのが見えます。

産み付けられた卵が孵ると、幼虫は種の中身を食べて育ちます。
当然、その種からは芽が出るはずがない!

さて、「エゴノキの種はヤマガラの大好物」といわれてきましたが、ほんとうに好きなのは種なんでしょうか。
実は中に住む虫のほうが目的!?


最後に、疑問に対する答えを。

・種はどのくらい堅いのか
→ペンチを使わないと開けられない。

・たくさんの種が地面に落ちているわりに実生が少ないのはなぜか
→寄生する虫がいて中身のない種が多いため、と考えられる。