6月の花だより その3

玉川上水で見られる野草、山野草、雑草、樹木、花をご紹介!

5月はつる性植物の勉強をがんばって、葉を見ただけでそこそこ多くの種類を見分けられるようになりました。
6月は、さらに多くの草本を花のない状態で見分けられるようになろう!ということでがんばっていきます。

5月から6月にかけて、たくさんの植物がにょきにょきと生えてきます。
そのほとんどは、花さえ咲けば簡単に種類が分かるのですが...
葉や茎を見て判別するための情報が詳細に載っている図鑑は少なく、難易度高め。


ヤブタバコ
キク科。葉には粗めの鋸歯がある。
横へも伸びようとする茎が多数見られる。
花期は9〜10月。


ミズヒキだと思う。タデ科の葉っぱ。
葉は互生して、中央に黒い斑点が現れることが多い。



こちらはイヌタデだと思われる葉。タデ科。
托葉鞘から長めの毛が伸びている。


ハエドクソウ。ハエドクソウ科。
葉に粗い鋸歯があり、対生する。
花期は7〜8月。


アキノタムラソウ
奇数羽状複葉。葉は対生。シソ科。
花期は7〜11月。


コナスビ
サクラソウ科。花期は5〜6月なのだけれど、花をつけている個体をあまり見かけない。


ヌスビトハギ
マメ科。花期は7〜9月。3小葉。


オシロイバナ
オシロイバナ科。
こんな葉の野草は思い当たらなくてしばらく悩んだが、昨年花が咲いていたことを思い出した。
花期は7〜10月。

6月の花だより その2

玉川上水で見られる野草、山野草、雑草、樹木、花をご紹介!


ネコハギと思われる葉。
毛が密生しています。花が楽しみ。


カンアオイの葉。
自生していたものではない。
フタバアオイなども含め、この仲間はウマノスズクサ科。


ノコンギクの葉。
ヨメナやヨメナの仲間とも似ていて識別が難しい。


ムベの葉。
裏側もかなり特徴的。
アケビ科。「常緑のアケビ」というイメージ。
玉川上水ではまれに見つかる。民家から増えたものかもしれません。


ツタと思われる葉。
若い葉は3枚に分かれる。これがツタウルシにも似ていて見分けづらい。
ツタウルシはかなりかぶれやすくて危険
玉川上水にはツタウルシはないはず。


ヤブガラシの花。
かなり小さくてかわいらしい花をつけます。
香りはほとんどなかった。触ってみると蜜でベトベトする。
アオスジアゲハがやってきやすい。


ヤブマメの葉。
ツルマメがなかなか見つからない。


ハキダメギクで合っていると思う。コゴメギクと非常に似ている。
どちらにしても帰化種。


 
ヨウシュヤマゴボウ
ヤマゴボウ科。アメリカ原産の帰化種。
全体的に有毒なので食べないように。もうしばらくすると毒々しい実がなります。
花は意外とかわいらしい。


カナムグラの葉。
つる性、対生。


実生のムクノキ
双葉とは別に、第一節は対生する!
その次からはちゃんと互生になってますね。


エゴノネコアシ
エゴノキにできる虫こぶです。かわいらしいと思う人と気持ち悪いと思う人と両方いそう。
中にアブラムシが住んでいます。

 

カワラナデシコ。ナデシコ科。
秋の七草として、また大和撫子という呼び方でもおなじみ。
白花タイプもあります。茎、葉は細く、対生。


ウツボグサの花。シソ科。
青紫色の唇形花がかなりたくさん咲きます。


コナラのどんぐり。
こんな時期からすでに形ができています。


ヤマユリのつぼみ。
つやがあります。開花が楽しみ!


マテバシイの花。
玉川上水でも見られる樹木ですが良い写真を取れる場所が見当たらず。
この写真は玉川上水周辺で撮影したもの。
ブナ科らしい花で、クリの花に似た香りもします。

ミカン

正確な種名はわからないのですが、玉川上水にもミカンの(仲間の)木が少しあります。
もちろん、雑木林の構成種ではないので、誰かが植えたのか、もしくは民家に植えられた木から種が運ばれてきたものでしょう。
周囲の民家ではごく普通に見られます。


樹皮。


葉。葉柄に翼があることが大きな特徴。
ウンシュウミカンではなくてハッサクか何かかなあ。分からない。


花。虫たちにはかなりの人気。多くの昆虫が訪れていました。


クロアゲハが蜜を吸いにやってきました。


こちらはダイミョウセセリ


アゲハチョウ科の中でも、一番スタンダードなアゲハチョウ(ナミアゲハ)やクロアゲハの仲間はミカン科を食草としています

玉川上水ではミカン類の少なさのわりにはアゲハチョウやクロアゲハがたくさん見られます。周囲の民家に植えられたミカンで育ち、花を求めて玉川上水の林へやって来ている個体も多いのでしょう。

一般的に「ちょうちょ」と言えばこのアゲハチョウがイメージされると思いますが、つまりミカン類の樹木が昔からかなり身近なものだったということなのでしょう。
古来から多かったのはタチバナかな。

エノキの新芽成長記


4月4日 まだ初々しい芽。


4月8日 かわいらしいサイズの葉。赤褐色〜紫系の色が若干混ざっています。


4月12日 形がハッキリしてきました。


4月16日 葉の透明度が落ちて、緑色がくっきり。少し虫にかじられはじめる。


葉をよく見るとイモムシの巣ができています。折りたたまれている部分。

ちょいと失礼して中をのぞく。


4月20日 赤褐色がほとんど抜けた状態。葉も大きくなっています。食べられている葉も増える。


この日もイモムシが登場。


4月25日 食べられている葉の多さ。エノキの葉は虫に人気です。


4月28日 雨の日。こうやって見ると葉の赤みが完全に抜けている。


5月2日 変化が少なくなったように見えて、そんなことはない。28日と比べると、かなり食べられている。


5月6日 ちょっとだけかじられている。


5月10日 食べられ具合の進行がほぼ止まる。新芽としての旬が終わったのかも。



エノキは、雑木林の樹木の中でいちばん好きな種類です。
秋冬には実が多くの野鳥(アトリ科、ヒヨ、ムク、ツグミなど)によって重要な食料源になり、春夏には葉が昆虫たち(ゴマダラチョウ、オオムラサキ、テングチョウなどの幼虫、タマムシの成虫)の重要なエサとなります。
萌芽更新することが前提のコナラ・クヌギやエゴノキと比べてかなり寿命が長いことも特徴。定期的に更新できないことが多い現在の雑木林で、かなり重要な樹木ではないでしょうか。