5月の虫


トラマルハナバチ


アワフキムシ
林の植物を見ていると、時々泡のようなかたまりが見つかります。
これはアワフキムシの仕業。幼虫は自分でこの泡をつくり、この中に住みます。


ヒラタアオコガネ

新しくなった玉川上水羽村陣屋跡の陣屋門

玉川上水の取水堰近くに、羽村陣屋跡があります。
かつてこのあたりに、取水堰を管理するための陣屋があったそうです。
屋敷や水番小屋が建てられていたはず。それらは残念ながら現存していないのですが、陣屋門のみが残されています。

その陣屋門の経年劣化が進んでいたため、2015年11月頃から改良工事が行われていました。

工事中の様子。

そして…

3月に工事が終了し、生まれ変わりました!
茅葺屋根も新しくなり、すっきり。


まだ新しすぎて馴染んでいない感じもありますが、また時間が経てば落ち着いてくるのでしょうね。


現在は玉川水神社に隣接している形になっています。
羽村取水堰から徒歩ですぐの場所にあるので、そのあたりまで足を運んだ際にはぜひぜひ。
この写真では「町指定旧跡」となっていますが、現在は「市指定旧跡」です。(1991年まで羽村市は羽村町だった。)

群落調査の実習

5月8日(土)。
訪花昆虫調査とあわせて、高槻成紀先生による群落調査の実習でした。



ある場所で、調査範囲を少しずつ増やし、そこで地表植物の種類がどれだけ増えていくかを記録する。
記録をもとに面積種数曲線(面積の拡大にともなってどれだけ種数が増えるか)のグラフを作成する。

調査方法メモ。

・場所を決める
・始点を決める。折り尺などを使って、そこから長さを測る
・10cm×10cmからスタートし、縦と横を順に倍の長さ(例外あり)にしていく

10cm→25cm→50cm→100cm→200cm
10cmの次を20cmにしてしまうと、20→40→80→160→320と扱いにくい数になってしまう。
10→25とすることで、その後が分かりやすくなっている。

調査記録例

範囲 見つかった地表植物
10×10 スイカズラ
10×25
25×25 コナラ
25×50 ヤマコウバシ
50×50 ヤマモミジ
50×100
100×100 シオデ
100×200 ボケ
200×200 センニンソウ、シュンラン

※範囲を増やすことで新たに見つかった種類を記録していく
※「地表植物」の調査なので、育ちきった木本性植物は含めない


これまた比較がとても楽しそうな調査です。
ただ、柵・フェンスのある玉川上水では調査可能な場所が限られていることが難点。

また、生えてきたばかりで若い葉が数枚ついているような状態で植物名が分からないと厳しいため、難易度が高い。
ただし、名前が分からなくても「種数」を記録することは不可能ではない。分からないものはしっかりと写真にとっておいて、詳しい人に後で聞くという手もある。

アヤメの雄しべと雌しべはどこにあるのか


アヤメの雄しべと雌しべはどこにあるのか!
よく考えてみたら知りませんでした。
今日、それを実感する機会がありました。


アヤメ、カキツバタ、ハナショウブ、シャガなど、アヤメ科の植物は共通した仕組みを持っています。

これらの花の、外側に広がる大きな花弁のような部分は外花被片
立ち上がっている部分が内花被片。それぞれ3つずつあります。
それらとは別に、外花被片の付け根から小さな覆いがあります。これが花柱
ここをめくると、中に雄しべがあり、花柱先端の下側に柱頭があります。


屋根状の花柱は、雄しべの花粉を雨などで流してしまわないように、まさに屋根の役割を持っているようです。


アヤメの花粉を運ぶ(訪花昆虫)のはハチの仲間。主にトラマルハナバチ
ちょうど今日、蜜を目当てにやって来ました。


アヤメだけでなく、全てのアヤメ科の特徴である外花被片の模様
これが蜜標(みつひょう)となっていて、「ここに蜜があるよー!」というガイドになっています
それを頼りにやってきたトラマルハナバチが花柱をめくって中へ潜る。
蜜を吸おうとゴソゴソしている間に雄しべの花粉が体に付きます。
その後、別の花へ移ればバッチリ受粉!


とてもよくできたシステムです。
合理的な花の仕組みと、それを当然のように利用する虫の習性にびっくり。
よくできすぎていて驚く!

虫と植物の関係は本当におもしろい。
とにかく、納得できることが多くて楽しい世界。
虫と植物とセットで学んでいくことが大事ですね。