樹皮越冬アカボシゴマダラの移動

以前の観察会くらいから、樹皮で越冬するアカボシゴマダラ幼虫を観察し続けています。

越冬中は基本的に動かないので、同じ場所で毎日観察し続けることができる...はずなのですが、ある日の夜、いつもの場所にいないことに気が付きました。

鳥に食べられたのかも、とも思ったのですが、とりあえずあたりをじっくり探してみると...


いました!
しかも、今まさに移動中。

ゴマダラチョウも含め、越冬中でも暖かい日には少し動くことがあるのは知っています。
しかし、越冬中の野生個体が動いている最中に遭遇するのは初めて。

そして、この日の夜はかなり暖かかったので、
・春が来たと勘違いして葉のある場所まで登ろうとしている
・まだ冬だと思っているけれど、微妙に場所を移そうとしている
このどちらなのか分かりません。

 ]
観察を始めたのは18:15頃。とりあえず30分ほど様子を見たところ、止まる気配がありません。
そして、ぐにゃぐにゃと上下に行ったり来たり。木の上に向かっているのかも良く分かりません。

どのくらい動き回ってどこに停止するのか、結果を見届けたいけれど、あと何時間かかるのか、不安を感じながら観察を続けました。


クモにも遭遇!(未同定。)


近くにフユシャクもいました。
ヒロバフユエダシャク メス。


19:00を過ぎました。1時間経過してもまだまだ動いています。

ただ、上下しながらも少しずつ高い位置に移動しています。
このまま葉のある枝まで行くつもりなのでしょうか。
もちろん2月現在、まだ新芽は出ていません。


20:00過ぎ。ついに移動をやめました。
人の手が届かない高さまでは登ったものの、ここで一旦止まるようです。
このあと10分くらいは頭だけ動かしていました。
20:15頃、完全に停止。


移動経路はだいたいこんなイメージでした。


ちなみに、次の日にも、やはりこの場所で停止していました。

この結果から考えられるのは、
・すでに春が来たと勘違いしているが、一度に葉のある場所までは登らずに、何日かに分けて移動する習性がある
・まだ冬だと思っているけれど、春が来るまでに暖かい日があれば、少しずつ上に移動する習性がある
このあたりでしょうか。

とりあえず、この時期に2時間以上動き続けたことに驚きました。

玉川上水の動植物調査報告を小冊子にまとめる


じゃじゃん!

セブンイレブンのマルチコピー機に、便利な小冊子プリント機能がついています。
そのテストもしてみたくて、調査結果をまとめた小冊子をつくってみました。



表紙はフルカラー。本文はモノクロ8p。
読んでもらいたい順にページが並んているPDFファイル、つまりは普通のPDFファイルを読み込んで印刷すれば、綴じたときに正しいページ順になります。これが便利。



印刷したものを折って...


ホッチキスを使って中綴じ!


ちゃんと冊子になりました!


 


ちなみに、以前「玉川上水の小冊子をつくる」の記事に書いた小冊子とは別物。
今回のものとは別に、ちゃんとパンフレットのような冊子をつくるつもりでいます。
使用する写真を発掘する時間が取れなくて制作が止まっていたのですが、最近やっと重い腰を上げてタグ付け整理をしました。(「玉川上水の一年(アニメーション版)」はその副産物。)
ぼちぼち進めていきます。

おすすめ本|Rachel L. Carson 『The Sense of Wonder』

The Sense of Wonder
Rachel L. Carson『The Sense of Wonder』

おすすめ。
『沈黙の春』著者、レイチェル・カーソンの一冊。

この日本語訳版では、「センス・オブ・ワンダー」のことを、「神秘さや不思議さに目を見はる感性」と訳しています。
こういった感性は大人になると失われてしまうものなのでしょうか。

自然観察指導員の観察指導方針とも重なる部分が何度も文中に登場します。
・「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない
・自然への知識をほんのすこししかもっていないと感じていたとしても、親として、たくさんのことを子どもにしてやることができます

古典的な自然観察会ではどうしても、見つけた動植物の名前をひたすら覚えていくような展開になりがちです。
必ずしも種名にこだわらなくても、わくわくするような体験・観察はできる。確かにそう思います。

ただ、実際に私が観察会を行う時には、どうしても勉強会のような側面も強くなってしまいます。
いずれ地域の方たちに自分の手で調査を行ってほしいという気持ちもあり、「見分け方や種名を覚えてほしい」という状況があります。
また、地域の自然を毎日調査できるわけではないので、観察会自体が調査を兼ねたものになることもあります。

たとえば、子ども向け・初心者向けに特化した観察会であったり、あくまで「体験」を主なテーマとした観察会を開けたりしたら、もっと種名にこだわらない自然観察会ができるかな、とは思います。
そういう機会もつくりたい...!!