砂川のまいまいず井戸と蔵の美楽館

武蔵野の水の歴史を語る上で欠かせない「まいまいず井戸」。

現在でも見ることのできるまいまいず井戸はほんのわずか。
立川市内には現存していないのですが、その跡地に解説板が立っています。


多摩モノレールの砂川七番駅から五日市街道を西へ進み、徒歩15分くらいでしょうか。
道路北側にバス停(砂川三番)のあるあたりの南側になります。


金属製の解説板。
金毘羅山にも同タイプの解説板があるのですが、正直に言うと、反射してしまってとても読みにくいです。長持ちはしそうなんですけどね。
この解説では「マイマイズ井戸」とカタカナ表記。
マイマイズ井戸は、スリバチのように掘って螺旋状に通路をつけた大規模な井戸です。この解説板のあるあたりは、そのマイマイズ井戸があったといわれています。砂川地区は地下の水脈が深いため、井戸は何軒かで掘ってみんなで使いました。今でも五日市街道沿いには、こうした共同井戸の跡が点々と残っています。
この解説上では、玉川上水の分水は農業用水に、井戸の水を日常生活に使っていたと書かれています。

あくまで跡地であるということもあり、まいまいず井戸のことを調べていても、なかなか発見されにくい場所となっています。



その跡地から少し南東へ進むと蔵の美楽館があります。
ここに住んでいる方が、土蔵をギャラリーに改装したものです。

五日市街道を歩いていると、立派な庭付き・蔵ありの家が多いことに驚かされます。
といっても、そのたくさんの蔵はあくまでそれぞれの家の敷地内のもの。観光資源でもないので、ジロジロと見て歩くわけにもいきません。
この蔵の美楽館が、このあたりでは唯一、外部の人間も楽しむことのできる蔵となっています。

ちなみに砂川村の名主さま、砂川家の屋敷も五日市街道沿い。
私は一度、その名主さまの屋敷へお邪魔したことがあるのですが(昔使われていた玉川上水分水口の部品を見せていただきました)、あまりにも立派な蔵が残っていることに驚きました!