狭山茶はどこのお茶?
さて、今回は玉川上水沿いの村とも関係のある、「狭山茶」の話題。
狭山茶と聞くと、埼玉県を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
たしかに、主な生産地は埼玉県内の入間市、所沢市や狭山市ですが、瑞穂町や東村山市内でも生産されています。(東京都内のものは「東京狭山茶」といわれる場合が多い。)
また、明治期に玉川上水沿いの砂川村(立川市)、小川村(小平市)でもお茶を栽培していて、狭山茶として出荷していたことが分かっています。
砂川はいわゆる狭山茶の本場ではないが、その生産地の一部ではある。「砂川の歴史」より
そもそも「狭山」とはどこを指しているのでしょうか?
もともとは狭山丘陵自体を狭山と呼んでいた可能性もあるようです。
現在、「狭山」は完全に地名化していて、「狭山」の付く地名が狭山丘陵周辺に散らばっています。
面白いのは所沢市にある「狭山不動尊」の山号。これが「狭山山(さやまさん)」なのです。*1
小平に店舗を構える鈴木園さんの、「玉川上水」と名付けられたお茶も狭山茶です。
玉川上水と狭山茶は意外とつながりがあるため、納得!
お茶好きの私は、毎年狭山の新茶イベントに行っています!
新茶イベントの定番は、
・茶摘み体験
・お茶販売、お茶加工品の販売
・手揉み茶の実演
となっています。その他、淹れ方講座やお茶席なども、そのイベント次第で。
摘んだお茶の葉は、自宅で製茶(電子レンジやホットプレートを利用)したり、天ぷらにして食べたりできます。これがとてもおいしい!
お茶に関して、特別な興味や知識がなくても十分に楽しめるイベントなので、おすすめです。
「新茶 イベント」等で検索すればきっと情報が見つかることでしょう。
ちなみに!
「茶畑の野鳥」といえば、キジとホオジロです。
わざわざ茶畑にバードウォッチングに出かける人は少ないと思うので、あまり知られていないことなのかも。
畑地の多かった昔は、比較的どこでも見られる野鳥だったキジ。茶畑ばかりのお茶どころでは今もうろうろしていて、どこからともなく「ケーン、ケーン」と聞こえてきます。
そして、お茶の葉のとれるチャノキはツバキの仲間。常緑樹です。
これがホオジロにとっては都合のいい藪となっていて、あちこちから「チチチ...」と聞こえてきます。
八十八夜の頃には繁殖期であり、電線に止まって「一筆啓上仕り候!」とさえずっている姿もよく見られます。
*1 どんなお寺にも「山号」と「寺号」があります。落語の「山号寺号」でおなじみ。 浅草の観音様は金龍山浅草寺。成田山新勝寺。東叡山寛永寺。三縁山増上寺。狭山のうしろにさらに山が付いて、「狭山山(さやまさん)」となってしまうことからも、「狭山」が山の名前ではなく完全に地名化していることが分かります。