ミカン

正確な種名はわからないのですが、玉川上水にもミカンの(仲間の)木が少しあります。
もちろん、雑木林の構成種ではないので、誰かが植えたのか、もしくは民家に植えられた木から種が運ばれてきたものでしょう。
周囲の民家ではごく普通に見られます。


樹皮。


葉。葉柄に翼があることが大きな特徴。
ウンシュウミカンではなくてハッサクか何かかなあ。分からない。


花。虫たちにはかなりの人気。多くの昆虫が訪れていました。


クロアゲハが蜜を吸いにやってきました。


こちらはダイミョウセセリ


アゲハチョウ科の中でも、一番スタンダードなアゲハチョウ(ナミアゲハ)やクロアゲハの仲間はミカン科を食草としています

玉川上水ではミカン類の少なさのわりにはアゲハチョウやクロアゲハがたくさん見られます。周囲の民家に植えられたミカンで育ち、花を求めて玉川上水の林へやって来ている個体も多いのでしょう。

一般的に「ちょうちょ」と言えばこのアゲハチョウがイメージされると思いますが、つまりミカン類の樹木が昔からかなり身近なものだったということなのでしょう。
古来から多かったのはタチバナかな。

5月の虫 その2

玉川上水で見つかる虫たち。

5月の虫 その1はこちら


クロマルハナバチ
小型の昆虫に比べたら重さのある体。蜜を吸うときには体がブラブラと揺れます。
それで花粉が体に付くという仕組み。


若いエノキの葉を探すと見つかります。テングチョウの幼虫。
この写真では分かりにくいですが、顔も可愛いです。


トビサルハムシ。コナラ、クヌギの葉を食べる。


ナナフシ。いい具合に擬態しています。


ビロードコガネ。ビロードのような質感。
ビロ"ウ"ドコガネ表記も多いかも。


ナナホシテントウ
誰でも知っているスタンダードなテントウムシ。アブラムシを食べます。

テントウムシの幼虫。体の4ヶ所に色が付くこのタイプはたぶんナナホシテントウ



トホシテントウ
ナミテントウは斑紋のバリエーションがかなり豊富ですが、このトホシテントウのように体の中心に大きく2つの点があるパターンはありません。
点を数えると、ちゃんと10個。
草食性。


ゾウムシの仲間。まだ種類は調べていない
オオゾウムシでした。
かなり大型のゾウムシです。


コアオハナムグリ。よく見つかります。


キバラヘリカメムシ


クロウリハムシ


ワカバグモだと思うクモ。
アリを捕食中。


ツマグロオオヨコバイ
よく見かけます。セミに近い仲間。


ナメクジ
雨の日によく見かけます。


5/25 追記

キマダラカミキリ
特別珍しい種類だったりしなくても、大型のこういった昆虫を見つけると不思議な達成感があります。

ナトリウム灯


立川市内、玉川上水緑道脇には街路灯としてナトリウム灯が採用されているエリアがあります。

夜間に、コンビニの明かりや明るい街路灯に虫が大量に集まってくるのはお馴染みの光景。
蛍光灯からは虫が好む光がたくさん出ています。言い換えれば、虫の行動に大きな影響を与えるというわけです。
それに対してナトリウム灯は虫を寄せ付けにくく(低誘虫光源)、昆虫たちへの影響が少なくなっています。

このあたりは夏にホタルも舞うエリア。照明の選択はかなり重要です。
もちろん、人間の安全だってとても大事ですから、「街路灯がないほうが良い!」なんて言うわけにはいきません。

この街路灯に関しては、玉川上水の自然保護を考える会が(特に会長の柴 俊男氏が)かなり交渉をして、なんとかナトリウム灯を選択してもらえたとの話。

「静7132」とクマリンそしてアレロパシー



私は日本茶検定1級・日本茶アドバイザーの資格を持っている程度にはお茶好きなんですが、もっとも好きなお茶の品種は「静7132」というものです。

「静7132」は系統番号であり、「やぶきた」「つゆひかり」のような品種名は登録されていません。(静岡の一部では「まちこ」と呼んでいたりします。)

その特徴はなんといっても桜の葉のような香り
萎凋が行われていて、さらに高温で淹れる紅茶や烏龍茶の香りがとても素晴らしいのに対して、低温で淹れる日本の煎茶は香りの面ではなかなか敵いません
しかし、この「静7132」から香る不思議な香りは、むしろ低めの温度でふんわりと漂ってきます。

その香り成分は「クマリン」。桜の葉に含まれる芳香成分です。

ところでこの「クマリン」、植物の生態学について勉強していく中で突然登場しました。
桜の葉に含まれる「クマリン」には他の植物の成長を阻害する作用があるとのことです。これをアレロパシー(他感作用)と呼びます。

外来種の多くも、そのアレロパシーが問題になる場合があるとのこと。
まだはっきりと解明されていない部分も多いみたいですが。

「桜の木の周辺には他の植物が育ちにくい」というのをあまり実感したことがないのですが、本当に効果があるのならば、江戸時代の玉川上水水路脇に桜を植樹した(小金井周辺など)のはとても合理的だったことになりますね。