7月の蝶


キアゲハ
アゲハ(ナミアゲハ)にそっくりですが、キアゲハは全体的に黄色が強いのと、前翅表側の体に近い部分が黒色で埋まっていることではっきり区別できます。
裏側もよく見るとけっこう違う。
虫の仲間にはよくあることですが、姿はほぼ同じ仲間(アゲハ)と食べるものは違っています。
アゲハはミカン科(サンショウよりも栽培種ミカン系の方を好む気がする)、キアゲハはセリ科(セリ、ニンジンなど)です。



ツマグロヒョウモンの♀。
都市部でも見られ、決して珍しい種類ではないのですが、玉川上水で見かけることは意外と少ない気がします。

食草はスミレ科。パンジーなど園芸植物も好む。


カラスアゲハ
あまりいい写真ではないのですが。
玉川上水では黒いアゲハの仲間(クロアゲハ、カラスアゲハ、オナガアゲハ、ジャコウアゲハ、モンキアゲハ、ナガサキアゲハ)がかなりたくさん飛んでいるのですが、どこかに止まってくれないとなかなか見分けられません。
食草はミカン科。


ウラナミアカシジミ
橙色にゼブラ模様。玉川上水で見られるゼフィルスの一種。
多くのゼフィルスがそうであるように、食草はクヌギ、コナラなどのブナ科。


アカボシゴマダラの夏型。
葉の上で休んでいました。
基本的に花へはやってこないので、姿をじっくり見ようと思ったら、樹液の近くを探すか、休んでいるところを探すことになります。


ツバメシジミ
小さなシジミチョウの仲間。
食草はマメ科。尾状突起が美しい。

セミたちの羽化

セミの羽化シーズンです!

今年はセミをしっかり研究しようとは思っていないので、積極的に幼虫を探すようなことはしていないのですが、何度か羽化に偶然立ち会うことができています。



20:30頃。
ほぼ体の形は完全にできあがったニイニイゼミ



10:30頃の羽化。ちょっと遅い。
子供向けの観察会中に発見し、大喜び。



昼前に穴から出てきたアブラゼミの幼虫。
これもちょっと時間がおかしい気がする。
警戒しています。無事に羽化できたのでしょうか。


ゼミの鳴き始めも調査したいと思っていたのですが、今年は日中にあまり時間が取れなかったのであきらめ気味。

発生し始めで数の少ない時期は、鳴く時間もかなり限られていて、早朝と夜にしか調査できていないと気が付かないことが多いのです。

参考程度に私が確認した記録としては、
6月27日 ニイニイゼミとミンミンゼミ(福生にて)
7月10日 ヒグラシ(立川市内にて)
7月13日 アブラゼミ(立川市内にて)
実際のところは、どの種類ももっと早くから鳴いていたと思います。

ツクツクボウシもすでに少数鳴いているという話を聞きました。
今年は花も虫も早い!

7月の花だより その2

玉川上水で見られる野草、山野草、雑草、樹木、花をご紹介!



ハエドクソウの花。
日当たりが良くないとなかなか花をつけないのだろうか。
玉川上水の林内では、よく咲いている場所と全く咲かない場所と極端。


ヤブミョウガの花。
ツユクサ科。葉の雰囲気や生え方はツユクサの仲間に似ています。(ずいぶん大きいけれど。)


ヤマブキの花。
通常の花期は4月。ところが7月にも、ある程度の株があちこちで花をつけます。
どういう原理なんだろう。狂い咲きというのもちょっと違う。


マヤランの花。
美しい!ラン科シュンラン属ということで、シュンランの花に似ています。
ただし、こちらは腐生植物。菌類に依存して生きています。


オカトラノオの花。
たぶん、かなり日当たりの良いところでしか育たない植物。
玉川上水の林内では基本的に見られません。
明るい林縁に局所的に見られます。


オニユリの花。
たくさん花がつきました。


ヤマユリの花。
あちこちで見頃。いい香り。


カンアオイの葉。
玉川上水にギフチョウはいません…が、葉が食べられているとドキッとします。


クズの葉のシルエット。
遠くから見てもムシャムシャ食べられているのが分かります。
クズの葉を食べて育つ昆虫はたくさん。

福生にビジターセンターがオープン

近年の玉川上水関連の話題の中で、かなり重要なニュース!!

福生市内の玉川上水沿いにビジターセンターがオープンしました。

田村酒造さんよりももう少し上流、羽村市との境も近い場所に「加美上水公園」があります。
玉川上水と多摩川にはさまれた雑木林。
その公園の北端にある古民家がビジターセンターとして先日ついにオープンしたのです。



Googleマップに「東海居」と記されている場所がそれです。

羽村から下流に歩いてきた場合、もしくは拝島方面からずっと歩いてきた場合、どちらにしてもひと休みするのにぴったりなスポットになっています。

 
また、以前から公園に仮設トイレはあったのですが、ビジターセンター内にはきちんとした水洗トイレもあります。
助かりますね。


加美上水公園は中西悟堂「野鳥村」構想の地でもあります。
建物内には中西悟堂先生の写真や年譜、復刻版の「野鳥(日本野鳥の会 会誌)」もずらり。



お茶でも一杯飲んで休んでいこう!
畳でゴロゴロしても気持ちいいよ。


とりあえず、2016年7月現在、
毎週土日 10時〜14時までオープンしています。
お茶休憩、お手洗い休憩の他、お弁当を持ち込むのもOKと伺いました。
これからオープン時間が増えていったらもっといいな。