玉川上水の下草刈り

玉川上水の中流域、立川市内の玉川上水駅付近で業者による下草刈り(下刈り)が行われました。
(7月20日)
もっと上流、天王橋付近ではここよりもかなり早く行われていました。



Before
After

千手橋より上流を眺めた景色。
かなりすっきりしました。


若干刈りすぎのような気もしますが。
風雨による表土の流出が心配。

玉川上水の水路脇、安全柵内は東京都水道局の管轄です。

もちろん、下草刈りを水道局員がやるわけではありません
委託された業者が行っています。


写真では分かりにくいのですが、足場のかなり不安定な斜面も綺麗に刈り込んでいます。
(こちらも若干刈りすぎのような気はしますが。)

これはアマチュアの手では不可能な仕事。
玉川上水の雑木林をすべて市民団体の手による管理にしたい!と思うこともありますが、危険性と難易度を考えると厳しい部分もたくさんあります。

下草刈りは雑木林の管理には欠かせない作業です
(もちろん下草刈りを行うことが管理として絶対に正しいわけではなく、そのやり方には十分に注意する必要があるはずです。)
刈ったら自然がなくなってしまうというわけではありません。
そもそも、この記事1枚目のBeforeの画像も、一年前には刈り込まれた場所。
夏頃までにはしっかり草が伸びてくるのです。

特にササ類を刈り込むことで、日当たりがよくなりいろいろな野草が発芽しやすくなります。

この付近はゲンジボタルの発生地でもあるため、市民団体が水道局と協議し、成虫が発生・産卵する期間には草刈りを行わないことになっています。


また、目印のつけられた野草は刈らないことも約束されています。

ただ、何でもかんでも刈り残していたらキリがありません。
雑木林の多くの野草は、夏の間地中に眠っていたり、夏までに種子散布を終えているため、下草刈りを行っても時期が来たら何事もなかったかのように生えてきます

刈り残してもらうのは、現時点で数が少なくなってしまった一部の野草や、ちょうど花期を迎えまだ種子ができていない野草などです。

つぐみさんの個展「鳥とくつろぐ」開催中


吉祥寺のnito cafeで『鳥とくつろぐ〜つぐみの羊毛フェルト作品展〜』が開催されています。

会期は7月7日~7月23日。
オープンは木曜と金曜が11:30~20:00、土曜日は9:00〜18:00。

こちらのブログではお知らせが遅くなってしまい、もう会期は残り少ないのですが、とってもおすすめです。
(縁があって、オープン直後、9日にオープニングパーティーのような催しにお邪魔させていただきました。)

本物の野鳥そっくりの羊毛ニードルフェルト。

もちろん、羊毛でできているのでシルエットは実物よりずいぶん柔らかい印象なのですが、ポーズやその佇まいは本物以上に本物らしい!

販売用にあえて若干ミニサイズに作ったようなタイプを除き、基本的にほぼ実物大!
遠目には本物と間違えてしまうようなものもあるかも。


ツグミ。
みんな春にシベリアに渡ってしまったので、久しぶりに会った感じがします。



nito cafeは吉祥寺駅北口より徒歩15分ほど。
バスでの行き方はこちらを参考に。

エゴヒゲナガゾウムシ

7月中旬の玉川上水。

エゴヒゲナガゾウムシの発生、産卵のピークです!

実付きのいいエゴノキを見つけると、うじゃうじゃいます。
エゴヒゲナガゾウムシ

7月中旬頃にエゴノキの実の周りで多く見つけられるようになりますが、6月下旬頃より羽化はしているようです。
オスはかなり平たい顔をしていて、目が離れています
よく見たら簡単に見分けられる。

ゾウムシといっても、ヒゲナガゾウムシ科。あまりゾウムシらしくない顔をしています

  
実に集まるオスとメス。
エゴノキに穴を開けて、そこに産卵します
エゴヒゲナガゾウムシが多く見つかったエゴノキの周囲を冬に見てみると、落ちている種子は産卵痕だらけ!

歩いて登ってくるイメージを持っていたのですが、ある程度の距離を飛んで実までやってくる姿を目撃しました


果実についた産卵痕
…といっても、かじって穴を開ける→産卵するという順序だと思うので、穴は開いていてもまだ産卵していないというパターンもあるのかもしれない。


エゴノキの種の中身は」の記事に掲載したエゴノキの種子の産卵痕。
果皮は大きくかじられていても、種子の中まで貫通している穴はずいぶん小さいことが分かります。

生まれた幼虫は、種子の中身を食べて育ちます。
そのまま蛹になり、種子に広い穴を開けて外に出てくる頃にはすでに成虫になっています。

樹皮が剥がされる夏

玉川上水 小平市内で次々にコナラ・クヌギの樹皮が剥がされています
目的は樹液を出して、昆虫を採集することでしょう。



実際のところ、ほとんど樹液は出てきていません。

ただ、樹皮を剥がしても樹液は全く出ないというわけではありません。
例えば「ビオトープ再生技術入門(農文協,2006)」に、クワガタなど樹液食昆虫の環境を再生するため、人工的に樹皮を剥ぎ取り樹液場を作る工法が紹介されています
ただし、注意点はいくつもあり、「環状に皮を剥ぐと枯死し、地上付近の皮剥ぎではアリ類の餌場になってしまう。」「春の新芽展開までに樹皮を剥ぎ取ると、その年の夏場には樹液を出すことができる。」などと記されています。
タイミングも、剥ぎ取り方も、よく注意して行う必要があるんですね。
そしてもちろん、勝手にやっていいことではありません

とりあえず、7月に入ってからつけられたこの傷はほとんど無意味であると考えられます

樹木にとってどの程度のダメージになるのかは、正直勉強不足により分かりません。
しかし恐ろしいのは単に樹皮を剥がされたことではないのです。

玉川上水の緑道に沿って、手の届きやすい位置にあるコナラ・クヌギは手当たりしだいほぼ全て樹皮を剥がされているという異常性です。
ちょっとやりすぎ。



仮にナタなどの刃物を持って、夜間にこの作業を行っているとしたら、注意するのも恐ろしい...!!
林でこういったことをする人というのは、「本当に悪いと思っていない」パターンも多いので、さらに怖い。
うーむ。

とりあえず、2016年の夏にこんなことがあった、というのを記録として残しておく。