オオシマカラスヨトウ

しばらく前に、正体不明のシャクトリムシがサクラの葉についていたことがありました。
姿がはっきりするまで成長を見守ろうと飼育することにしたのですが、食樹であるサクラの葉を採集したところ、さらにそこに3頭のシャクトリムシがついていました。(気が付かなかった。)
せっかくなので、そのまままとめて育てることにしました。

ところが、そのうちの1頭がシャクトリムシとは思えないほどぶくぶくと太っていき...

はい、シャクトリムシではありませんでした。
(しっかり観察していればもっと早くに気がついたと思います。うーん。)

おしりがとがっている!


典型的なイモムシ顔。どんどん大きくなる体。
シャクガの仲間ではありません。

このイモムシは、オオシマカラスヨトウの幼虫!




7月に撮影した成虫。
雑木林の樹液周辺で、夏から秋にかけて非常に多く見られるヤガの一種です。
玉川上水でも、夜の林でよく出会う定番の一種。


卵越冬し、春に孵化。初夏に蛹化し、7月頃より羽化。
見られる期間が長いので、年2化だと思っていたのですが、1化。
暑い時期に夏眠するので、その分長生きできるということか。


今はサクラの葉を与えて育てているのですが、実際はもうちょっと広範囲の葉を食べるタイプ。(ブナ科やエノキなんかも食べるらしい。)

テントウムシの羽化

ナナホシテントウが羽化する様子を観察。
厳密には羽化というより羽化後です。

蛹から出てきた成虫に、だんだんと模様が浮かび上がってくる様子を撮影しました。


18:40の様子。
キイロテントウ!...じゃないよ。ナナホシテントウなんですが、完全な黄色で模様もありません。



裏側の様子。
幼虫から全く別物に変化したようにも見えるテントウムシですが、裏側を見ると幼虫と姿がよく似ています。中身はそのまま、背中に硬い殻を被ったようなイメージ。



19:05の様子。
うっすらと模様が見えてきました。


19:15の様子。
後羽根を乾かします。色が鮮やかで美しい!


20:20の様子。
模様がくっきりしてきました。
色も濃くなってきているように思いますが、まだまだ黄色。
 

22:00の様子。
変化は少なくなってきています。
模様部分はくっきり完全な黒色。
ただし、模様以外はまだまだ本来の赤色ではなくオレンジ色。
赤くなるまではかなり時間がかかるようです!

ルリタテハの若齢幼虫

ルリタテハの幼虫が見つかる時期になりました!

玉川上水では比較的よく見られるルリタテハ。
ルリタテハ

冬にも、成虫越冬している個体が暖かい日に飛んでいるのを見かけました。

春になってからはなかなか姿を見かけなかったのですが(タイミングの問題だと思われる)、ここ数日、サルトリイバラの葉をよく探したら、幼虫がちょくちょく見つかっています。

気が付かない間に産卵していたんですね。


孵化からそれほど時間が経っていないと思われる若齢幼虫。
4mmほど。かわいい。

この幼虫を家で飼育観察してみることにしました。


1日経過。体が黒くなっています。

ルリタテハ幼虫の大きな特徴であるトゲトゲはなく、生えているのは細かい毛のみ。

まるまって休むのも特徴ですね。

このサイズなので、うんちは粉にしか見えません。


2日経過。脱皮しました。
脱皮直後なので顔が明るい色!
下にある黒い塊が顔部分の脱皮殻です。
トゲらしいものが出てきました。


3日経過。
前回から脱皮はしていないはずですが、姿に変化があります。
脱皮後の時間経過により、体全体が黒色に落ち着いたようです。


引き続き飼育観察を続けます!

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