キハラゴマダラヒトリ


頭隠して尻隠さず!葉っぱに隠れているつもりなのかもしれませんが、バレバレです。


かわいらしいゴマダラ模様の蛾。


キハラゴマダラヒトリです。

アカハラゴマダラヒトリとそっくり。自然下での生体観察では同定困難。
今回、この後に捕獲し、お腹と前脚の付け根が黄色いことを確認したので、キハラゴマダラヒトリだと断言できます。


(撮影2016年8月)
こちらは2016年に撮影したもの。これ以外にも何度か撮影したのですが、この頃は腹側や前脚の付け根を見ないと見分けがつきにくいことを知らなかったので、どちらのゴマダラヒトリか分からずじまいでした。

アカハラゴマダラヒトリの方は翅が純白なのに対して、キハラゴマダラヒトリの翅はやや黄色みを帯びる。慣れたらそこも見分けポイントになりそうだけど、決め手はやっぱりお腹側。

アカボシゴマダラの蛹化

なんだかイモムシブログになりつつありますが、蛹化シーズン、羽化シーズンです。


今回はアカボシゴマダラ。前蛹というより、もう蛹化がはじまっている状態です。



脱ぎ始め。


皮にシワが寄ってきました。体も完全に脱力。


さらにシワが寄ります。


蛹の背中が見えてきました。


実は、このあたりで顔の殻は真っ二つに割れています。


蛹の背中がどんどん見えてきます。


ほぼ皮は脱ぎ終わり。
問題はここからです!皮部分の先が枝にくっついているため、このままでは皮を落とすことができません。


ここがポイント!蛹の先端がにょきっとでてきました。
なぜこれで落ちないんでしょう。
この先端を、枝の先に付けたい。
反動をつけて...


えいっ!何度か勢いを付けて、ようやく付きました。


無事に皮は体から外れました。今、枝についているのは蛹の先端です。


あとは、体をぶんぶん振って、この邪魔な皮と殻を落とします。


えいっ!!!!


大成功。


美しい蛹です。よく見ると、すでに顔らしきものが見えますね。


天地逆向きに撮影。

テングチョウ

 
2015年5月21日に記録。

テングチョウは、タテハチョウ科テングチョウ亜科の蝶で、エノキを食草としています。
その名の通り、天狗のような鼻(下唇髭)が特徴。
昔はテングチョウ科として独立して扱われていました。やや古い図鑑を見ると、確かにそう記載されています。
実際、タテハチョウの仲間とは雰囲気・大きさが結構違います。共通点もあるのですが。



2017年5月17日現在、飼育中のテングチョウ幼虫です。
タテハチョウというよりは、シロチョウの仲間っぽい、アオムシ感があります。
エノキには似たようなイモムシ、シャクトリムシがたくさん付くのですが、気門線がくっきりしていて、その下が暗い緑や茶色になっていることで判別できます。

飼育下での前蛹。


蛹の様子。
かなり小さく、2cm程度。


2016年6月25日に記録。

今年(2017年)の4月30日にも成虫を記録しています。

一年のサイクルはかなり独特。
春、4月頃に越冬成虫が産卵し、5月の終わり〜6月にかけて羽化。
羽化した成虫は暑い夏を休眠して過ごし、次の春まで生き延びます。
年一化なのに成虫越冬というかなり無謀にも思える生き方です。

ただ、地域や気候によってはワンシーズン遅れて2化が発生している可能性もあり。調査したいところ。

クワコ

桑の苗なら日本一〜♪』とは砂川音頭の一節。
立川市内の玉川上水沿い、砂川村は日本トップクラスの桑苗産地であり、養蚕も盛んでした
現在は、残念ながら業務として蚕を育てている家は残っていません。
砂川村のお蚕様


その頃の名残として、実生のクワがこのあたりの玉川上水林内にたくさん見られます
その木の実は野鳥たちの餌となり、生態系の一部となっています。

そして、クワがたくさんあることで、クワを食べる虫たちも当然生息しています

こちらは...


クワコ!
カイコの原種だと言われています。カイコほど積極的に産業利用はされないのですが、そこそこ立派な繭を作ります。ヤママユやウスタビガとともに、野蚕(やさん)と呼ばれます。

  
たくさん見つかる幼虫。
若い幼虫の頭部後ろはふくれあがり、まるで鳥の糞のようです。
脱皮を何度かして成長すると、糞の雰囲気は薄れ、アゲハ幼虫のような蛇目模様がはっきりしてきます。


うちにやってきたクワコさん。


ちなみに、顔はここです!