ゴマダラチョウ

 
玉川上水で見られる大好きな蝶、ゴマダラチョウです!


白黒のゴマまだら模様。
おしゃれなモノトーンの翅に、鮮やかなオレンジの目、黄色い口吻を持っています。

 」
成虫は樹液食。
親戚である国蝶オオムラサキと同様です。
ごく限られた種類の花を訪れることもあるようですが、記録が少なく、要調査。


他の虫とともに、樹液酒場へやってきます。
左はアカボシゴマダラ、下にはシロテンハナムグリ


この個体は春型なので、翅の裏側が全体的に白っぽい。


周りは移入種であるアカボシゴマダラだらけ。
寄生バチの寄生率がかなり高く、また、アカボシゴマダラに比べたら湿潤な環境を好みます。
アカボシゴマダラの強さと環境の悪化によって、ゴマダラチョウは減少傾向にあるようです。


羽化直後の夏型。
白黒柄がハッキリしています。

  

幼虫の頃のゴマダラチョウ、ゴマちゃん
エノキを食べて育ちます。
若い株で育つ個体は少ないので、なかなか観察できません。


 
葉っぱにくっついて越冬します。
体はだんだんと茶色になり...



ゴマちゃん、冬の姿。


エノキの葉の裏(稀に表)にくっついて越冬します。
関東各地の緑地で、どんどん見られなくなっているゴマダラチョウ。
ここではまだたくさんの幼虫が見られます。大切にしていきたいですね。


こんな風に、落ち葉のたまるエノキの根元で越冬します。

落ち葉が風で吹き飛んだり、掃き掃除をされたりすると生き残れません。

玉川上水でも、葉っぱが溜まりにくい場所が多いのが悩みどころ。

玉川上水でひたすら虫の観察と記録をする会

5月21日(日)。
玉川上水でひたすら虫の観察と記録をする会』を行いました。

会というほどおおげさなものではないのですが、時間がなくてあまり記録できていなかった初夏の昆虫をしっかり観察・記録することが目的の会でした。



やってみて分かったのが、玉川上水における"虫密度"の高さです。
立川市内の橋と橋の間、約500mに3時間かけても全然時間が足りなかったという感じ。
ちゃんと集計できていないのですが、100種類以上の虫が見つかったと思います。

ただ、ゆったりした広さのある自然度の高い緑地ならば、逆にもうちょっと虫との遭遇率が低い感じがします。
生息域が狭められて、玉川上水沿いに集まりすぎているようなイメージ。素直に喜んで良いことではないのかも。
かなり狭い範囲に、水路、水辺、雑木林、林縁、草原、畑地と続いていることもこの密度に関係していると思います。

 
ヒゲブトハナムグリ
あまりハナムグリらしくないハナムグリ。
成虫はこの時期にだけ見られる。


オオミズアオ
旧学名には月の女神であるアルテミスが使われていました。
ヤママユガ科らしい、美しい大型の蛾です。
玉川上水では結構な普通種で、なんとなく散策しているだけでも毎年見られます。


ヤツボシハムシ
エノキの葉上でかなりの数が見つかる。
斑紋の変異がかなり多い。


オオヒラタシデムシ
幼虫、成虫ともによく見られるシデムシ。
他のシデムシが生息しているかどうか調査中。


アジサイハバチの仲間。
おそらくアジサイハバチの幼虫。
ここ10年くらいでかなり増えてきているらしい。まだ情報が少ない。
可愛らしい顔をしていますが、あっというまにアジサイの葉がまる裸になる勢いでモリモリ食べていきます。


カワゲラの仲間。
かなりの数が見つかります。
数種類生息しているようなのですが、同定はかなり困難。


ヒゲナガカワトビケラ
立川市内ではカゲロウ、カワゲラ、トビゲラの個体数がかなり多いことから、水生昆虫のよい住処となっているようです。


ベニトゲアシガの仲間。
まだちゃんと名前は付いていないのかも。
トゲのある1対の脚を持ち上げる異様な姿。ベニボタルなどの甲虫にもよく似ていますが、蛾です。


グンバイムシの仲間。
セイタカアワダチソウやオオアレチノギクなどの葉でよく見つかる種なので、おそらくアワダチソウグンバイ。分かりにくいけれどカメムシ目。


ヒメカメノコテントウ
玉川上水林内の個体数はそれほど多くないと思う。市街地の方がもっと見られるかも。

玉川上水のゼフィルス

シジミチョウの仲間のある一群は「ゼフィルス(zephyrus)」という美しい名で呼ばれています。
その名前と姿に魅了され、夢中で採集をした昆虫少年は多く、現在でも人気が高い蝶のグループです。

幼虫はコナラ・クヌギなどブナ科の樹木を食草とする種が大半。雑木林では食事に困らないはずです。
ただ、シジミチョウの幼虫がかなり小型であることもあってなかなか見つけられません。

玉川上水では何種類かのゼフィルスが見られるのですが、正確な数はまだ分かりません。 今のところ、アカシジミウラナミアカシジミミズイロオナガシジミの3種を記録しています。 
私の記録はほぼ立川市内のものですが、小平市内の雑木林エリアでも同様に生息していると思われます。



アカシジミ
食草はブナ科。比較的都会的な環境でも見つかりやすいゼフィルスだと思います。
地面近くの草に止まっているところや、中〜低木の葉の裏で休んでいる姿を観察済み。


ウラナミアカシジミ
食草はブナ科。独特の模様が美しいゼフィルス。やや個体数が少ないような気がします。


ミズイロオナガシジミ
食草はブナ科。他のゼフィルスと比べるとやや地味な感じもしますが、控えめな美しさを感じます。

アカシジミ

一年に一度、初夏に羽化するゼフィルスの一種、アカシジミに出会いました。 
 
美しい翅を持つシジミチョウです。

私個人としては初記録ですが、以前から玉川上水での記録はありました。


正面から顔を見てもかわいい!


他のゼフィルスもそうですが、見られる時期は限られているものの、その限られた時期には結構な数が見られます。

この日、玉川上水沿いのひとつの橋と橋の間だけで、少なくとも10個体以上に遭遇。発生のピークだったのでしょうね。

 
食草は他のゼフィルス数種と同じでブナ科。
コナラやクヌギの葉の裏で見つかってもおかしくないのですが、今のところ見つけることができていません。