セミたちの羽化

セミの羽化シーズンです!

今年はセミをしっかり研究しようとは思っていないので、積極的に幼虫を探すようなことはしていないのですが、何度か羽化に偶然立ち会うことができています。



20:30頃。
ほぼ体の形は完全にできあがったニイニイゼミ



10:30頃の羽化。ちょっと遅い。
子供向けの観察会中に発見し、大喜び。



昼前に穴から出てきたアブラゼミの幼虫。
これもちょっと時間がおかしい気がする。
警戒しています。無事に羽化できたのでしょうか。


ゼミの鳴き始めも調査したいと思っていたのですが、今年は日中にあまり時間が取れなかったのであきらめ気味。

発生し始めで数の少ない時期は、鳴く時間もかなり限られていて、早朝と夜にしか調査できていないと気が付かないことが多いのです。

参考程度に私が確認した記録としては、
6月27日 ニイニイゼミとミンミンゼミ(福生にて)
7月10日 ヒグラシ(立川市内にて)
7月13日 アブラゼミ(立川市内にて)
実際のところは、どの種類ももっと早くから鳴いていたと思います。

ツクツクボウシもすでに少数鳴いているという話を聞きました。
今年は花も虫も早い!

未同定だった虫の整理

種類が特定できず、今まで掲載してこなかった玉川上水の虫たちがいます。

分かったものをまとめ。
間違っている可能性もあるので、同定するための参考にはおすすめしません。


ベニスジヒメシャク
シャクガの仲間。「ベニ」というより、紫がかったピンクの模様が美しい。
地面で休んでいました。


マエアカスカシノメイガ
ツトガ科 ノメイガ亜科。
羽は透ける。かなり小さい。



アカシマサシガメ
カメムシの仲間の中でも特に嫌われやすい気がする、サシガメの仲間。
虫を食べる。


オオギンスジハマキ
ハマキガ科。
銀色の筋にはかなり光沢感がある。


玉川上水で見かけたものではない。
キイロアシナガバチと思われるアシナガバチ。


キオビツチバチ
ツチバチ科。この写真では分かりにくいけれど、お腹に黄色い紋があった。


キマワリ
ゴミムシダマシ科。
遠目にはオオゴミムシと間違えそう。顔や足の雰囲気は違う。


調べても分からなかったもの。
ハグルマエダシャク等に似ている。
シャクガの仲間で、エダシャク亜科の何かではないだろうか。


ハナアブ

 
ベッコウガガンボ
ガガンボ科。
ハチの仲間に擬態しているような体の色。
足の形や動き方は完全にガガンボの仲間。


ムーアシロホシテントウ、でいいと思う。
シロホシテントウの仲間は区別が難しい。
採集するか、色々な角度で写真を撮っておくと確実。


アカスジキンカメムシ
光沢があり、高級感(?)のあるカメムシの仲間。


ガの仲間は本当に難しい!
まずは、パッと見て、何科なのかは分かるようになるといいのだけれど。

玉川上水中流域の水生昆虫

玉川上水中流域では、典型的な「水辺の昆虫」の成虫をたくさん見ることができます。
その多くは、水質的に「きれいな水」に住む昆虫、もしくは「ややきれいな水」で見られる昆虫です。

ただし、水質と水生昆虫との関係は普通、「幼虫が見つかるかどうか」で考えます。
残念ながら水路の構造的にも管理体制的にも、玉川上水中流域で水に住む幼虫を調べることは難しい。

林の中で成虫が見られて、近くに別の水場があるわけでもない。幼虫も水路に住んでいると考えてほぼ間違いはないと思うのですが...
いつかなんらかの方法で調査してみたいものです!

とりあえず、見かけた成虫の写真を並べます。


モンカゲロウの成虫。


未同定。カゲロウの仲間。



ヒゲナガカワトビケラ


ヘビトンボ


ゲンジボタル
きれいな水に住むイメージが強いのですが、実際は「ややきれいな水」に住むとされることが多い虫です。


虫ではない。
サワガニ!時々玉川上水の林でも見られます。
ただ、どういう生活をしているのかが分からない。
水路から林へ上がってくることは難しいだろうし...


カワゲラ


また、(貝類の)シジミが昔は見られたよ!という話も聞いています。
ヤマトシジミなのか、詳しい種類は不明。



トンボの仲間たち。
水質を判断する指標生物ではない。
種類ごとに、様々な環境で産卵する。


玉川上水の水路の中の様子は観察しにくく、まだまだよく分からない場所です。
サギの仲間が魚を加えるところは見かけているので、小魚も間違いなく住んでいます。

成虫の生息具合などから考えると、カゲロウやトビケラ、カワゲラ、トンボの幼虫やホタルの幼虫、カワニナや小魚がうようよいるようにも思えるのですが、遠目にはとてもそんな感じには見えません。

やはり、いつかなんらかの方法で調査してみたいものです!

樹液に集まる昆虫

玉川上水で、樹液に集まる昆虫調査を続けて、だいぶ傾向が分かってきました。

・ほぼ一日中見られるもの
カナブンヒカゲチョウの仲間、ナメクジアシナガヤセバエの仲間、ダンゴムシ

・明るい時間帯にやってくるもの
スズメバチゴマダラチョウの仲間
ジャノメチョウ亜科以外のタテハチョウを探すとしたら、10:00〜13:00くらいが良さそう

・日が落ちてからやってくるもの
ヤガの仲間
シタバガの仲間が多い。フシキキシタバが特に多いと思う。

・夜と早朝に見られるもの
カブトムシクワガタの仲間
※日中にも見られることはある

・不明
オオキスイケシキスイの仲間
※小さな体を幹の間に隠すため、見逃していることが多い
※たぶん、時間帯問わず樹液に集まる


気になるポイントと調べたいこと

・樹液に集まるジャノメチョウ亜科以外のタテハチョウは、アカボシゴマダラしか見ていない。樹液には来ていないがイチモンジチョウは近くで見かけている。もっと色々は種類が見られないものか。

・ジャノメチョウ亜科ではヒカゲチョウがほとんど。時々サトキマダラヒカゲ。クロヒカゲなど別の種がいないかよく見る必要がある。

・クワガタの仲間ではノコギリクワガタが多い。ヒラタクワガタ、コクワガタも時々見かける。他の種類はいるのか。

・夜にも活動するモンスズメバチもいる。夜間はスズメバチが活動しないものだと思って油断しないように。実際7月3日20:00過ぎに見かけている。


フシキキシタバ
見かけることの多いヤガ。理由は分からないが、樹液が出ている場所からはやや離れて止まっていることも多い。


カキバトモエ
大型のヤガ。地面に近い場所で見かけることが多かったが、偶然かもしれない。


おそらくオオシマカラスヨトウ
厳密には、お腹の模様を見ないとナンカイカラスヨトウ(そっくり)と区別できない。
シマカラスヨトウの可能性もある。とりあえず、そのあたりの仲間であることは間違いない。


ヒラタクワガタ
強そうなアゴです。


カナブン
体色は茶色〜緑色まで。
鮮やかな緑色のものはアオカナブンともそっくり。
足の付け根を見たらどちらか分かるのだけど、今のところ調査時には区別していない。
アオカナブンの方がわずかに細長く、それで判断できる場合も。


樹液に集まるたくさんのヒカゲチョウとサトキマダラヒカゲ。


両目の間が黒くなっているモンスズメバチ
比較的よく見られるのはオオスズメバチだと思っているのですが、あまりじっくり見るのも危険なので詳しく調査できていません。


アシナガヤセバエの仲間。
たぶん、ホシアシナガヤセバエとモンキアシナガヤセバエの2種が生息しているのだけど、今のところ区別せずに調査しています。


オオキスイムシの仲間。
ヨツボシオオキスイムナビロオオキスイの2種がそっくりで、鮮明な写真を撮るか採集しないと区別が難しい。


ゴマダラチョウ
オオムラサキの仲間。
爆発的に増えているアカボシゴマダラに比べると、個体数は少なめ。



アカボシゴマダラの夏型。
口吻は鮮やかな黄色。


日中、樹液に集まるたくさんの昆虫たち。


カブトムシのオス!
あちこち探していると、意外に早朝、夜以外の時間帯でも見つかる。


ヒカゲチョウ


スズメバチは強いアゴをつかって周りの虫たちに威嚇します。
カナブンはかなわない。独占状態。

 
コガタキシタバ


コナラのくぼみにニホンミツバチが巣をつくりました。
そのミツバチを捕食するためにやってきたスズメバチ。


カブトムシコシロシタバ
カブトムシの角が邪魔だったのか、斜めに羽を立てています。
シタバガの仲間がこんな角度で羽を立てているところは初めて見ました。


ムクゲコノハ
ヤガ科。シタバガの仲間のように美しい後翅を持つ。
やや大きめ。


オニベニシタバ
翅がボロボロ!
前翅を閉じているのに、派手な後翅が見えてしまっている。
損傷が激しいけれど、ベニシタバは前翅の模様が全然違うので、オニベニシタバで合っていると思う。


クルマスズメ
スズメガ科。
「いないはずはない」と思っていたスズメガの仲間。
7月後半にやっと遭遇。ホバリングしながら樹液を吸います!


オオクシヒゲコメツキ
分かりやすい名前です。
大きくて、ヒゲが櫛状になっているコメツキムシ。
写真では分かりにくいのですが、3cm程度の大きさ。
コメツキムシとしてはかなり大きく、見つけるとびっくりします。


ニホンヤモリ
昆虫じゃないけれど。
樹液付近で見つかります。樹液にやってくる虫を食べようとしているのでしょう。


ルリタテハ
瑠璃色が美しいタテハチョウの仲間。
時々樹液を吸いにやってきます。