ヒグラシ

美しい声を林に響かせる夏の風物詩!
ヒグラシです。
他のセミの仲間と同様に、カメムシ目セミ科。

多くのセミの鳴き声は「騒音」と思われてしまうことがありますが、このヒグラシの鳴き声はどこか涼しげで情緒があります
鳴く時間帯は基本的に早朝と夕方。
ただし、曇っていると昼間でも鳴くことがあります。(気温や湿度にもよるのかもしれない。)


左下がオスで右上がメス。
よく見てみると、別のセミなんじゃないかと思うくらい腹の大きさが違います

アブラゼミやミンミンゼミに比べて、ヒグラシやツクツクボウシはかなり小型です。
(抜け殻調査でも見分けやすい。)
それでも、その小型のセミたちの声はよく通ります。
その理由は、音を出すオスの腹が極端に大きいからなんですね


交尾中のペア。

ところで、團伊玖磨作曲、北山冬一郎作詞による『ひぐらし』という日本歌曲があります。
「日暮れ ひぐらし ひぐれに哭く〜」と始まるこの歌は、かなりモダンな和声がつけられていて美しい曲です。
『ラジオ体操第二』や『ぞうさん』など、親しみ深い曲も多く作曲している團伊玖磨ですが、この『ひぐらし』は気軽に口ずさむにはちょっと難しい。


このヒグラシは、都会型のセミと比べると、湿ったやや暗い環境を好むようです。
市街地ではあまり見つからないかも。
玉川上水では多くの場所でヒグラシの声を聞くことができます。玉川上水水路による湿度上昇、気温低下とも関係があるのでしょうね。