たましん歴史・美術館『多摩の人・多摩の風景』

最終日にぎりぎり間に合いました。

『多摩のあゆみ』創刊40周年記念 多摩の人・多摩の風景
『多摩のあゆみ』の創刊40周年を記念し、多摩の歴史・風俗を物語る浮世絵、『多摩のあゆみ』の表紙を飾った作品などを展示します。

2015年 9月15日(火)~ 12月10日(木)
この『多摩のあゆみ』がまた、無料なのにすばらしい情報のつまった冊子なんですが...

さてさて、実は行くのも初めて、たましん歴史・美術館。



国立駅南口を出ると、もう目の前に見えています。
輝く「たましん」の文字

多摩信用金庫の国立支店6階が美術館スペースになっているのです。


今回の展示は「うつりゆく風景」と「多摩川の流れとともに」の二部構成。

「うつりゆく風景」は、倉田三郎氏の作品など、昭和の油画が中心でした。

昭和の多摩の風景を、絵画から知ることができるかな?という期待があったんですが、この期待は少し裏切られる。
当たり前のように写真のある時代ですからね。抽象性の高い油画が多かったです。
絵画作品としては十分に楽しめました。


「多摩川の流れとともに」では、多摩川関連の浮世絵を多数展示。
こういうテーマはなかなかないので貴重な機会。

それぞれの浮世絵は、特別にマイナーな作品というわけではないんですが、こうやって揃う機会はなかなかないかも、というセレクトでした。

小金井の記事でも紹介しましたが、広重の浮世絵や江戸名所図会から想像できる江戸時代の小金井は本当に美しい。

両側が車通りが比較的に多い道路になったことで、もうどうやっても土手でのんびり花見をする光景が取り戻せないというのはなんだかもったいないと思います。


今回の展示で発見したメモを。

・紫の花と武蔵野について
「紫の  ひともとゆゑに  武蔵野の  草はみながら  あはれとぞ見る」という大好きな和歌がある。これ以外にも紫の花と武蔵野について歌った和歌がいくつかあるようなので、調べたい。

・「玉川」の表記について
江戸時代の文化財には「多摩川」ではなく「玉川」表記が頻出する。
今回、明治期に描かれた「蒸気車往復 繁栄之図」1889年(明治22年)にも「玉川」表記がされていることを確認。では、ほぼ「多摩川」表記しかしなくなる境目はいつ頃だろうか?戦後?

・「古金井」の表記について
喜多川月麿の描いた「武蔵野古金井の橋」では小金井を「古金井」と表記している。歌麿ではない。喜多川月麿は喜多川歌麿の弟子。