樹皮が剥がされる夏

玉川上水 小平市内で次々にコナラ・クヌギの樹皮が剥がされています
目的は樹液を出して、昆虫を採集することでしょう。



実際のところ、ほとんど樹液は出てきていません。

ただ、樹皮を剥がしても樹液は全く出ないというわけではありません。
例えば「ビオトープ再生技術入門(農文協,2006)」に、クワガタなど樹液食昆虫の環境を再生するため、人工的に樹皮を剥ぎ取り樹液場を作る工法が紹介されています
ただし、注意点はいくつもあり、「環状に皮を剥ぐと枯死し、地上付近の皮剥ぎではアリ類の餌場になってしまう。」「春の新芽展開までに樹皮を剥ぎ取ると、その年の夏場には樹液を出すことができる。」などと記されています。
タイミングも、剥ぎ取り方も、よく注意して行う必要があるんですね。
そしてもちろん、勝手にやっていいことではありません

とりあえず、7月に入ってからつけられたこの傷はほとんど無意味であると考えられます

樹木にとってどの程度のダメージになるのかは、正直勉強不足により分かりません。
しかし恐ろしいのは単に樹皮を剥がされたことではないのです。

玉川上水の緑道に沿って、手の届きやすい位置にあるコナラ・クヌギは手当たりしだいほぼ全て樹皮を剥がされているという異常性です。
ちょっとやりすぎ。



仮にナタなどの刃物を持って、夜間にこの作業を行っているとしたら、注意するのも恐ろしい...!!
林でこういったことをする人というのは、「本当に悪いと思っていない」パターンも多いので、さらに怖い。
うーむ。

とりあえず、2016年の夏にこんなことがあった、というのを記録として残しておく。