5月の蝶

春。
たくさんの蝶が羽化し、やっと「玉川上水の蝶」カテゴリの記事を書くことができるようになりました。



アゲハ(ナミアゲハ)×オオアラセイトウ
蝶といえばこのアゲハ。もうほとんどしぼんでいる花ですが、蜜は吸えたのか。
私にはまだ、飛んでいる状態でパッとアゲハかキアゲハか見分ける能力がありません。


コミスジ
何度も地面で羽休めしていました。
タテハチョウの仲間。食草はマメ科。

 
ジャコウアゲハ×ハルジオン
クロアゲハだと思って追いかけていました。よく見ると体が赤い。
食草はウマノスズクサ。


ヒカゲチョウクロヒカゲ
残念ながら、思いっきり画像補正をしてやっと模様が見える程度のひどい写真しか撮れませんでした。
どっちなのか断定できず。


おまけ。
クマバチ×ニセアカシア
フジの花によく訪れるクマバチ。同じマメ科のこの花もお気に入り?

5月の花だより

玉川上水で見られる野草、山野草、雑草、樹木、花をご紹介!


コブシの未熟果。


ヒルザキツキミソウの花。


コヒルガオの花。


ヒョウタンボク(の仲間)の花。
スイカズラと花の形がほとんど同じタイプ。何とかヒョウタンボク。


ニワトコの果実。


マユミの花。


ノイバラの花。


ガクウツギの花。


エゴノキのつぼみ。あとちょっと!


アヤメの花。


フタリシズカの花。


エノキの果実。


ウグイスカグラの果実。


オオバコ。4月の終わりごろから目立つ。


チゴユリの果実?


ヤマツツジの花。


タツナミソウの花。


カラマツソウのつぼみ。


シランの花。


ミヤコワスレ(園芸種)の花。
山地に生えるミヤマヨメナからつくられたもの。


ヤブガラシ。

エゴノキの種の中身は

玉川上水の樹木の中で、本数としては一番多いかもしれないエゴノキ。
種はヤマガラの大好物。

その種に関して2つの疑問がありました。

・種はどのくらい堅いのか(ヤマガラは種の殻を割って中身を食べる)
・たくさんの種が地面に落ちているわりに実生が少ないのはなぜか

まずは、堅さを調べるために種をひとつふたつ持ち帰り。
手でつぶそうとしても、やはり無理。
ペンチを使い、パキっと割ってみると...中には小さな虫が!


調べてみると、エゴヒゲナガゾウムシの幼虫だそうです。
エゴノキのことをチシャの木と言うことがありますが、この幼虫のこともチシャムシと言う場合があるみたいです。


種をよく見てみると、見つかるのが産卵跡。
上3つが分かりやすいと思います。
中心に小さな穴が空いているのが見えます。

産み付けられた卵が孵ると、幼虫は種の中身を食べて育ちます。
当然、その種からは芽が出るはずがない!

さて、「エゴノキの種はヤマガラの大好物」といわれてきましたが、ほんとうに好きなのは種なんでしょうか。
実は中に住む虫のほうが目的!?


最後に、疑問に対する答えを。

・種はどのくらい堅いのか
→ペンチを使わないと開けられない。

・たくさんの種が地面に落ちているわりに実生が少ないのはなぜか
→寄生する虫がいて中身のない種が多いため、と考えられる。

玉川上水の蝶 これまでの記録とこれから

1980〜1990年ごろに玉川上水(主に立川市内)で確認された蝶の記録があります。

草地の蝶
名前 食草
キアゲハ セリ科
キチョウ マメ科
モンキチョウ シロツメクサ
ツマキチョウ タネツケバナ、イヌガラシ
モンシロチョウ キャベツ
スジグロシロチョウ イヌガラシ、ハナダイコン
ベニシジミ スイバ、ギシギシ
ウラナミシジミ マメ科の花・実
ヤマトシジミ カタバミ
ツバメシジミ マメ科
ミドリヒョウモン スミレ類
キタテハ カナムグラ
アカタテハ ヤブマオ
ヒメアカタテハ ゴボウ、ハハコグサ
ヒメウラナミジャノメ イネ科
ヒメジャノメ イネ科
ギンイチモンジセセリ イネ科
キマダラセセリ イネ科
チャバネセセリ イネ科
オオチャバネセセリ イネ科
イチモンジセセリ イネ科


林の蝶
名前 食草
カラスアゲハ サンショウ
ゴイシシジミ タケノアブラムシ(虫)
ムラサキシジミ アラカシ
ミズイロオナガシジミ クヌギ、コナラ
アカシジミ クヌギ、コナラ
オオミドリシジミ コナラ
ルリシジミ マメ科の花
ルリタテハ サルトリイバラ、ホトトギス
ゴマダラチョウ エノキ
ヒカゲチョウ タケ、ササ
サトキマダラヒカゲ タケ、ササ
コジャノメ イネ科
ミヤマセセリ クヌギ

その他の蝶
名前 食草
アゲハチョウ ミカン類
クロアゲハ ミカン類
アオスジアゲハ クス
ウラギンシジミ フジ、クズの花
コミスジ クズ、ハギ
ダイミョウセセリ ヤマノイモ

見つけてほしい蝶
名前 食草
オナガアゲハ サンショウ
モンキアゲハ ミカン
ウラゴマダラシジミ イボタ
ウラナミアカシジミ クヌギ
トラフシジミ ウツギなどの花
テングチョウ エノキ
ヒオドシチョウ エノキ
イチモンジチョウ エノキ
クロヒカゲ タケ
コチャバネセセリ ササ類

・『玉川上水の自然保護を考える会 活動報告書』より


10年、20年経つと、当時は少なかったが今は多い種、またその逆もかなりたくさんあるのでしょうね。
最近はよく見かけるジャコウアゲハもこのリストには入っていません。
リストに入っているゴマダラチョウは減りつつあり、アカボシゴマダラが増えている可能性があり。

とりあえずこのリストを頭に叩き込んで、今年はたくさん蝶調査をしましょう!
がんばるぞー!




新芽が出る頃から定期観察を続けているエノキの枝。
樹木の定期観察を続けていると、樹木以上に虫のことがよく分かります。
エノキの若葉は虫たちにかなり人気があり、毎日がんがん食べられていきます。

エノキを食草とする蝶は、オオムラサキが有名。ただし玉川上水にはいない。
その他、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、テングチョウなど。
あとは蛾や他の昆虫にも食べる種がいると思います。

こうやって植物と虫の関係を学んでいくと楽しい!