エノキの新芽成長記


4月4日 まだ初々しい芽。


4月8日 かわいらしいサイズの葉。赤褐色〜紫系の色が若干混ざっています。


4月12日 形がハッキリしてきました。


4月16日 葉の透明度が落ちて、緑色がくっきり。少し虫にかじられはじめる。


葉をよく見るとイモムシの巣ができています。折りたたまれている部分。

ちょいと失礼して中をのぞく。


4月20日 赤褐色がほとんど抜けた状態。葉も大きくなっています。食べられている葉も増える。


この日もイモムシが登場。


4月25日 食べられている葉の多さ。エノキの葉は虫に人気です。


4月28日 雨の日。こうやって見ると葉の赤みが完全に抜けている。


5月2日 変化が少なくなったように見えて、そんなことはない。28日と比べると、かなり食べられている。


5月6日 ちょっとだけかじられている。


5月10日 食べられ具合の進行がほぼ止まる。新芽としての旬が終わったのかも。



エノキは、雑木林の樹木の中でいちばん好きな種類です。
秋冬には実が多くの野鳥(アトリ科、ヒヨ、ムク、ツグミなど)によって重要な食料源になり、春夏には葉が昆虫たち(ゴマダラチョウ、オオムラサキ、テングチョウなどの幼虫、タマムシの成虫)の重要なエサとなります。
萌芽更新することが前提のコナラ・クヌギやエゴノキと比べてかなり寿命が長いことも特徴。定期的に更新できないことが多い現在の雑木林で、かなり重要な樹木ではないでしょうか。

渡れなくなったマガモ

自分の野鳥記録を見る限り、玉川上水に冬鳥としてやってきたマガモと漂鳥のカルガモは3月の終わりから4月上旬にかけて帰っていったと思われます。
(カルガモは冬季にかなり増える。数十羽以上。)

ところが、4月22日の時点で「まだマガモがいるよ」という情報をいただきました
おかしいなと思ったのですが、どうも羽根を損傷して飛べなくなっているとの話。

実際に見てきました。


マガモのオス。
たしかに羽根に損傷あり。これでは長旅はできないでしょう。
今日(5月16日)時点でもここにいることを考えると、玉川上水で留鳥として生きていくことになるのでしょう。

カルガモとの交雑種(いわゆる「マルガモ」)や、見た目はマガモに見えるアオクビアヒルは渡りをしない場合がありますが、この個体はどちらでもないと思います。

  
メスかどうかは分かりませんが、常に近くにカルガモがいて、ペアでのんびり暮らしているようです。

トラブルで渡れなくなった野鳥はどんな気持ちで生活しているのでしょうね。

5月の蝶 その3


モンシロチョウ
食草はキャベツ、オオアラセイトウ、アブラナ類など。
シロチョウ科。
玉川上水のオオアラセイトウ、アブラナ類を食べて育ったかもしれないが、周囲の畑地にあるキャベツの可能性が高い。


クロアゲハ×ミカンの花
食草はサンショウ、ミカン類。
アゲハチョウ科。
玉川上水にサンショウはあるものの、ほとんど幼虫の食痕は見当たらない。基本的にミカンの仲間を食べて育っていると思われる。これはアゲハチョウも同様。

  
ヤマトシジミ
シジミチョウ科。食草はカタバミ。
カタバミがあるところならどこでも見られるありふれた蝶ですが、表の色合いはとてもきれい。


イチモンジチョウ
タテハチョウ科。食草はスイカズラ科。

    
ダイミョウセセリ
セセリチョウ科。食草はヤマノイモ科。

   
アカボシゴマダラ
タテハチョウ科。食草はエノキ。
花にはほとんど止まらず、樹液を吸う。

つる性植物攻略


つる性の植物があまり得意ではありません。
といっても、今まで葉だけで判別しようとしてこなかったために苦手なだけで、難易度的にはそれほど難しくないはず。
それぞれの葉に分かりやすい特徴があります。

つる性植物勉強週間!

上の段は左から
ヘクソカズラオニドコロボタンヅルセンニンソウ
下の段は左から
スイカズラヒルガオツルウメモドキ

ヘクソカズラ・・・対生、基部が心形、臭い
オニドコロ・・・互生。基部からたくさんの脈。細長いのはヤマノイモ。ヤマノイモは対生。
ボタンヅル・・・キンポウゲ科のつる性。対生。
センニンソウ・・・対生。ボタンヅルとそっくりな花。葉は全く違う。
スイカズラ・・・玉川上水の一部で大繁殖。対生。毛が多い。全縁。幼木では切り込み入りの葉もある。
ヒルガオ・・・独特な形状なので分かりやすい。互生。コヒルガオとの区別は難しいが、今はそこは気にしないでおく。
ツルウメモドキ・・・ニシキギ科。鋸歯がある。互生。つる性ではあまり似た葉はないはず。


他に玉川上水で見られるつる性の植物は
ウマノスズクサテイカカズラキヅタツタヤブガラシ
ツルマメヤブマメサルトリイバラアマチャヅル
クズカラスウリアレチウリコボタンヅルマルバルコウ
キウイフルーツアケビミツバアケビノブドウツルニチニチソウ
アカネクマヤナギヤマノイモナガイモヒヨドリジョウゴカナムグラなど。
周囲の民家から入ってきたであろうノウゼンカズラも見つかることがある。
カラスノエンドウスズメノエンドウシオデも。つるがあるけれど、わりと直立する。
木本ではフジナワシロイチゴサネカズラなんかも。

多い!

ツルマメ・・・3小葉。
クズ・・・大きめの3小葉。
アマチャズル・・・鋸歯のある5小葉、時に3 or 7。
カラスウリ・・・大きめの葉。鋸歯+3~5浅裂。
アレチウリ・・・外来。浅めに5~7裂。
コボタンヅル・・・ボタンズルの葉をさらに小さくしてもう一回分かれる。つまり2回3出複葉。
マルバルコウ・・・オニドコロに似る。葉の縁の一部がとがりやすい。
ウマノスズクサ・・・互生。ヤマノイモ系の葉の先端を丸くしたような感じ。
アケビ・・・楕円系5枚の小葉なので分かりやすい。細長くなる場合もある。
ミツバアケビ・・・3出複葉、かなり浅い波のような鋸歯。
サルトリイバラ・・・互生。とげあり。真円に近い円形。先はとがることも。


追加写真。
上の段左から
ノブドウノブドウキヅタキヅタ
下の段左から
サルトリイバラアケビスイカズラヤブガラシ

ノブドウは葉と巻きひげが対になっていることが特徴。茎を見ると、対生?と勘違いしそうになるが、片方には葉がついていない。裏面脈上に毛。

キヅタは互生。葉の形、大きさに変化の幅があるものの、似たような常緑つる性の植物は少ないので分かりやすい。民家に生えている、やや角ばったり斑が入ったりしているものはセイヨウキヅタか。

サルトリイバラは互生。サルトリイバラ科。円形だが、やや細長くなることも。丸っこくて、脈が特徴的で、とげもあるため、他との区別は簡単。

ヤブガラシ。鳥足状複葉5枚。互生。若い葉や茎が赤褐色。