はぐれたミノウスバ


この時期、ウジャウジャまとまった集団が見られるイモムシ。
気持ち悪いと言われてしまうこともあります。
ミノウスバの幼虫です。

  
マサキマユミの葉で見られます。

マサキとマユミは共通点が多く、どちらもニシキギ科。
しかし、マサキが常緑樹なのに対してマユミは落葉樹
葉の質はぜんぜん違い、花や実のない時期にちょっと見ただけでは無関係の樹木のようにも見えます
それでも、このミノウスバが両方を好んでいることで、たしかに同じグループの植物であることが実感できます。



幼虫は集団で行動し、通り過ぎた後にはほとんど葉が残りません。

家に植えてあるマサキ、マユミやツリバナに来てしまったときは大変です。


脱皮した跡。皮の部分と黒い顔の殻が見えます。
自分の脱皮殻を食べるイモムシも多いのですが、ほぼ残っていますね。

ここに幼虫の集団は見当たりません。
しっかり食べて、脱皮して、また別の株へ移動したのでしょう。



よく探してみると、一頭だけ見つかったミノウスバ幼虫。

はぐれてしまったのでしょうか?

それとも、そろそろ単独行動する時期で、偶然ここにやってきたのでしょうか。

巣箱の中の繭の中の寄生バチ


冬に巣箱のかけかえを行っていたときのこと。


巣箱の中から、なんと蛾の蛹がみつかりました。
巣材を上手く包み込んで、繭のようになっていました。

巣立ちを終えた巣に、イモムシが入り込んだのでしょうか。

気になった蛹ですが、この状態では種類の特定は困難です。
というわけで、羽化するまで保管してみることにしました。


そして先日、その蛹から中身が出てきたのですが....




蛾ではなく蜂!

もちろん、こういった形の蛹から蜂が羽化するわけではありません。
おそらくヒメバチの仲間、いわゆる寄生バチに寄生されていたのでしょう。


残念ながら、蛾の種類は特定できずに終わりました。

まるごと玉川上水かんさつ会 第2回 無事に終了しました

4月16日(日)9:30から。
立川市内の玉川上水で「第2回 まるごと玉川上水かんさつ会」が開催されました!

一週間前には、曇り時々雨の予報だったこの日。
参加者様の日頃の行いが良かったのか、なんと快晴
東京都内は場所によって最高気温26℃というポカポカな日でした。
春の野草や活動をはじめた虫たちを観察します。」という主旨だったのですが、野草以上に目立ったのが虫たちの姿でした。



サルトリイバラの花。あちこちで見頃でした。

 
あちこちで咲きはじめたニリンソウ
ニリンソウは咲かないと思っていたエリアで参加者が発見しました。こういうことが起きるのも観察会の良いところですね!



朽木をひっくり返すと見つかったムカデヒルの仲間。その他に、ダンゴムシワラジムシも、うじゃうじゃ。
ヒルの仲間をちゃんと記録したのは初めてかも。


クロボシツツハムシかな。
テントウムシに似る、ハムシの仲間。交尾中。


トラフコメツキ。春に見られるコメツキムシの仲間です。
先日小金井公園でも発見しているのですが、玉川上水での記録は初めて。


ナラメリンゴフシと思われる虫こぶ。数カ所で見つかりました。
リンゴのように見える謎の物体。
コナラやクヌギはどんぐりのなる樹木。リンゴができるはずがありません。
これはナラリンゴタマバチの作った虫こぶなのです。


未同定。蛾の幼虫。


エノキ新芽に擬態する、アカボシゴマダラ幼虫。
越冬した幼虫が一度脱皮した、終齢幼虫です。
玉川上水の中でも特にエノキが多いこのエリア。
小さなエノキの株で、たくさんの幼虫が見つかりました。
ゴマダラチョウの幼虫は大木に登ってしまうため、観察が難しい。


ハルジオンも咲き始め。たくさんの虫が訪れます。


千手橋より。
「カモの仲間やコイが行き来するこの水路で、パンくず等による餌付けをしてしまう方がいます。生態系への影響などの問題もありますが、このあたりは飲み水へとして使われている現役の水路。油分のあるパンくず等で水を汚すのは残念なことです。」というような話をしました。



この日、ヒトリシズカの花が見頃〜見頃終わりでした。この写真は、少し遅れて出てくるフタリシズカの芽です。


カナヘビ。暖かくなってきたからか、あちこちでゴソゴソと移動する音が聞こえます。


カメムシの幼虫。


ナミテントウ。色々な柄のナミテントウがよく見られました。
ちょうど、成虫越冬したナミテントウが交尾して世代交代をはじめる時期のようです。


アオハムシダマシの仲間か。
ゴミムシダマシ科。クチキムシにフォルムが似ていますね。


未同定。


シャクトリムシ。シャクガの幼虫の仲間。


その他、観察したもの
・カンザクラのさくらんぼ探し
・コナラの花はどんな花?風媒花とは
・モンシロチョウ、キタキチョウ、シジミチョウ類確認。アゲハのような大型蝶も確認
・ツマグロオオヨコバイ多数
・カゲロウの仲間多数
・ツチグリの話
・ナナフシ幼虫に遭遇。盛り上がりました
・ニホンミツバチの他、ハエ・アブ類多数
・アシナガバチの仲間に遭遇。そろそろ注意
・野鳥では、目の前にやってきたヒヨドリ、ムクドリ、カルガモ、シジュウカラ(さえずりと子どもの声)アオゲラ、コゲラなど。アオゲラの声が響いたときには盛り上がりました

次回は7月16日(日)開催予定です。お楽しみに!

玉川上水のジンガサハムシ

マユミの葉の裏にくっついていた、謎の物体。


よーく見てみると...

ジンガサハムシでした!


背中にX字の紋が輝くこのジンガサハムシ。正式な名前はセモンジンガサハムシ

そういえば、玉川上水でジンガサハムシの仲間を見つけたのは初めてかも。


お腹側から見た姿。

テントウムシの殻が透明になったような、独特な風貌は密かな人気があります。
他の種も見つかったらうれしいな!