おすすめ本|中西 悟堂『鳥を語る(野鳥記コレクションIII)』
中西 悟堂 (2004)『鳥を語る(野鳥記コレクションIII)』春秋社
野鳥研究家(という言い方では色々と足りない気がする)中西悟堂氏の著作から再編した、ベスト盤のような構成になっている一冊です。
全16巻の『定本野鳥記』からの選りすぐり。
現在『定本野鳥記』を入手することは難しいため、その内容を読みたかったら、この『野鳥記コレクションI〜III』のシリーズを買うことになります。
前半は「一鳥一題」と題して、野鳥一種ごとのエッセイになっています。
これが異様なほどの内容の濃さ。そして読みやすい。
鳴き声など生態に関することや、鳥名の語源、日本各地での呼び方にまで触れています。
かつて「探鳥」がどれだけ文学と結びつきの強いものだったのか、実感できる一冊です。