川越道緑地古民家園

立川市内北部に、かつて砂川九番に建てられていた古民家を見ることができる場所があります。


こちらが川越道緑地古民家園内、小林家住宅です。入母屋造。


見事な茅葺きですが、こちらは移築時に再現したもの。
移築前(1989年時点)の時点では瓦屋根となっていました。(あまり知られていないと思います。)
特別に文化財として保存されてきた建物をのぞけば、平成の世にまで茅葺屋根が維持されているようなことはなかなかないのでしょうね。

改造された部分(屋根)は容易に元の茅葺きに戻すことができる、という判断から移築復元が決まったそうです。
移築前の解体調査で「嘉永五年(1852年)」と書かれた部材が発見されたとのこと。幕末ですね。
一年後にペリーが浦賀にやってくる、そんな時期です。


アンズの花が満開でした。いいタイミング!ウメの花と見分けることは難しい。


「貯穀倉」と書かれている。建物内で配布されている資料には「味噌蔵」との表記。


「便所(つかえません)」。



ちょうど雛飾りをしている時期でした。複数の雛飾りが展示され、豪華。

さて、建物内を歩いて行くと、あまりにも立派なことに驚きます。もはや武家屋敷のよう。
もちろん、砂川の農家の誰もがこんなに立派な家を持っていたわけではないでしょう。



使われていた農機具が集められ、展示されています。
民俗資料館としても機能しているわけですね。


現在でも、囲炉裏には毎日のように火が入れられています
その煙に防虫効果があり、茅葺きを長持ちさせられるんだとか。


砂川十番組大幟の支柱もここに保存されている。



小林家住宅の隣に土蔵を復元する工事が進んでいます。
2016年春には完成予定なんだとか。楽しみ。



入口付近にある、ムクノキ(椋の木)の巨木!
決して珍しい樹木ではないのですが、このあたりのニレ科の樹木はエノキ、ケヤキが多め。ムクノキはちょっと特別な感じがあります。また春に葉が出てきたら見たい。


こちらはエノキ(榎)
玉川上水ではなかなか見ることのできない太い幹でした。


すぐ隣が川越道緑地になっています。
広くはないものの、コナラ、クヌギが中心の素直な雑木林です。

少しだけ歩いて、シメ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ムクドリ、シロハラ、ツグミに遭遇。
玉川上水の雑木林と同じような環境ですね。


アクセスは若干不便。
多摩モノレールの砂川七番駅、もしくは玉川上水駅から徒歩で15分ほど歩きます。
私は利用したことがありませんが、バスも出ているようです。