APG体系とは

APG体系

植物の勉強をしていく上で、なかなかやっかいな問題です。

基本的に外見的な特徴により分類した、従来の体系に対して、APG体系はDNA解析にもとづいたものになっています

これまではケヤキ、ムクノキ、エノキはまとめてニレ科だったのですが、APG体系ではケヤキのみがニレ科。エノキ、ムクノキはアサ科となりました。
ムクノキ、エノキがニレ科じゃないなんて違和感あり

もちろん、以前の体系が無かったことにはなったわけではありません。
新しく発売される図鑑でも、APG体系による分類ではない場合がけっこうあります。

私が気に入っているポケット図鑑、『都市の樹木433』(岩崎哲也 著)もAPG体系ではなく、クロンキスト体系を採用しています。
その理由については、
生物の"種"は、私たち人間が勝手に区別したものであり、古くから見た目による形態分類が行われてきました。人間が目で見て、種類の違いが分かれば十分だったのです。しかし近年、生物分類を専門とする研究者にとっては、DNAの一部を解説することによって遺伝子分類を行うほうが真実に近いこととされています。形態分類は誤りであるといわれることもあります。しかし、私たちに都市居住者にとって、どちらが正しいということではありません。
としています。

そもそも、植物の専門的な研究家ではない、私たち一般人が図鑑等によって分類を学ぶ目的はなんだろうかとか、そういうことも考えてしまいますね。

個人的には「基本的には古い形態分類で覚えていく。遺伝子分類も補足的な情報として覚えていく」という方針で勉強していくつもりです。
普通の自然観察会の中では、エノキはニレ科として紹介しても問題ないのではないかと思っています。