おすすめ本|私たちにたいせつな生物多様性のはなし
私たちにたいせつな生物多様性のはなし
「生物多様性」の基礎的な知識をバランスよく学べる一冊でした。
専門家による興味深い独自の視点で書かれた文章という感じではないのですが、現状をさらっと学ぶのには分かりやすい本だと思います。
特に、マクロな視点での「生物多様性」、そして暮らしとのつながりについて、ほどよく掘り下げられていました。
それがいい!
身近な自然の生物多様性を保つために具体的にどんな管理を行っていくべきか、そういった生態学的な視点ばかりで学んでいると、気付けないことがたくさんあります。
最近良く話題になる「生態系サービス」についての概要、国内・国外の現状の基本的な部分などもかなり易しく解説しています。
個人的に重要だと思うのは、「ビジネスと生物多様性のつながり」というパートです。
"お金の流れを変えることで生態系が守られる"なんていう記事もあり。
その全てがうまく機能しているとは限りませんが、主にイメージアップのために環境保全事業に取り組んでいる大企業は多く、それらは「地域のボランティア」の活動では決して実現できないことを成功させている場合もあります。
「自然のために…」という考えよりは、環境保全を積極的に行うことが企業にとっても具体的なメリットがあるような流れができることがやはり理想でしょうか。
ただ、環境問題には胡散臭い部分もたくさんあります。
こういった本を一冊だけ読んで感化されず、色々な視点の考えを知り、自分でも考えていくことがなにより大切かと思います。