まるごと玉川上水かんさつ会 第4回 無事に終了しました

2017年10月15日(日)は、まるごと玉川上水かんさつ会 第4回でした!

「小雨決行」としていたものの、思ったより雨が強いちょっと残念な天気。
しかし、雨の日でも十分に自然観察は楽しめます。
むしろ、雨の日にしか発見できないこともたくさんあるはずです。


今回の観察会は、まず「」の話題からスタート。
秋といえば何色?と聞けば、「茶色」「赤茶色」「オレンジ色」、そんな答えが返ってきます。

ところが、実際に雑木林を眺めてみると... まだまだ緑色なんです!
もちろん、どんぐりであったり、いくつかのきのこだったり、赤茶色系統のものが着々と増えていく時期ではあるのですが、雑木林が本格的に紅葉するのは、このあたりでは12月に入る頃なのです。
少し紅葉が早いのは、桜の仲間、ケヤキの日当たりの良い部分、街路樹のハナミズキ、イチョウなど。

そんな話題からスタートし、秋を感じるもの、雨の日ならではのものをたくさん発見した観察会でした。


見つけたもの・面白かったポイント

ケヤキの地衣類(雨の日は元気)
ヒゲナガカワトビケラ
どこからが雑木林?
ササの花はどんな花?
小さなカタツムシ
樹の根元にできる泡
数十個のツチグリ
葉の裏で雨宿りする虫たち(ツマグロオオヨコバイ、キイロテントウ、テントウムシ幼虫)
雑木林の中のギャップ
アカボシゴマダラ通常形態と越冬形態
ミカンの葉の香り
クスノキの香り
モジゴケ
秋の野菊 シラヤマギク、ユウガギク、ノコンギク
アオスジアゲハ蛹抜け殻
ダイミョウセセリの巣で雨宿りする虫
ツユムシ
ササを刈る意味
虫の雨宿り
スズメガ幼虫とそのうんち
フウセンカズラの果実
雨の日も聴こえる鳥の声
ミズヒキの花
チカラシバ
エリマキツチグリ
コナラ、クヌギのどんぐり
エノキを探せ!
巨大なジョロウグモの巣
シュンランの果実
カルガモの渡りの話
ムラサキシキブ(コムラサキ)の実を食べる
エノキの実を食べる
ノブドウの果実、ノイバラの果実
ナギイカダ
ジュズダマ
ゴマダラチョウ蛹抜け殻
ゴンズイの果実は硬い?柔らかい?
アセビの花芽
アカマツの幹で雨宿りする蛾
コブシの果実


ケヤキの幹にくっついていた地衣類。


今年はどんぐりが豊作です!


アカボシゴマダラ越冬モード。
角が短く、ふかふかしています。

 
なかなか姿を見つけにくい秋の鳴く虫たち。
このセスジツユムシは例外的に、葉の上でよく見かけます。


この日、20〜30ほど見かけたツチグリ
押すと胞子がぶわっと吹き出します。


葉の上にワカバグモ
雨の日でも、意外に多くの虫が見つかります。


クスノキの葉の裏にアオスジアゲハの蛹抜け殻。


見た目からでは硬いのか柔らかいのか分かりにくい、ゴンズイの果実。
その硬さはぜひ実際に触って確かめてください!


こんな風にアカマツの樹皮の隙間に入り、雨宿りしている蛾もいます。


コブシの果実。いよいよ熟してきています。


さて、ひと通り観察が終わった後は、ログハウスへ移動!
玉川上水駅の南東、保護樹林地があるエリアにこんな素敵な建物があるのです。


室内から庭を眺める。


お話をしつつ、ひと休み。
今回は、著書『ひみつのゴマちゃん ゴマダラチョウの不思議な生活』についての話もしました。


ログハウスの周りには、雑木林環境の保護樹林地に隣接してこんなガーデンもあります。


これから先、色々なイベントをやっていきたいと思っているログハウス。
今回、電子ピアノも使用可能なことが分かりました。

かなり古いYAMAHAのクラビノーバなので、本格的なクラシック演奏等には向かないのですが、音楽ジャンルによってはうまく活用できるはずです。(外部音源をつないだりもできますし。)

音楽会+自然観察会、やってみたい!

ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、キタテハ

記事のカテゴリーは「玉川上水の蝶」となっていますが、今回の写真は玉川上水で撮影したものではありません。

11月18日、稲城市内のとある川の親水域。
雨続き&寒い日続きでなかなか虫たちは動けずにいました。
この日に限り、午後にはややぽかぽか陽気。
たくさんの蝶たちが、吸蜜をしたり、日光浴をしたりしていました。



吸蜜するヒメアカタテハ


日光浴するツマグロヒョウモン


こちらはキタテハ

3種とも、オレンジ+黒系の柄なので、遠目にはまぎらわしい。

 
ヒメアカタテハの日光浴。気持ちよさそうです。

さて、玉川上水の蝶のページにも少し書いているのですが、ちょうどこの3種、ツマグロヒョウモンキタテハヒメアカタテハに、さらにアカタテハなんかも含め、かなり普通種でありながら、玉川上水の林内ではあまり見かけない蝶たちです。
また、秋になるとよく見かける蝶たちでもあります。

ツマグロヒョウモンやヒメアカタテハは、雑木林の中というよりは、もうちょっと明るく開けた場所に多く、玉川上水周囲の花壇や公園ではかなり普通に見られたりします。

キタテハの方は、食草であるカナムグラが玉川上水では局所的にしか生えていないため、見つかりにくい。

もう少し、「明るい水辺」のような場所が増えると、見られる蝶の種類は増えるのかもしれませんね。

玉川上水に新たな分水が!?

玉川上水駅からすぐ近く。


玉川上水沿いに、小さなお濠のような水路が。

しかし、こんなところに玉川上水以外の水路はありません。

新たな水路...!?



実はこれ、ただの水たまりです。

どうもこのあたりは水はけが悪く、雨が続くとこんな状態になってしまうのです。


夏のような暑さがまだまだ続くかと思いきや、秋にしては異例の雨続き。そして寒さ。

動植物たちへはどんな影響が現れるのでしょうか...??

イラガの繭

ある日、玉川上水沿いを歩いていると、こんな枝が落ちていました。


クヌギの枝です。 チョッキリのしわざにしては、太い枝。
何日か続いている雨風によって折れたものだと思います。
さて、その枝についている卵のような謎の物体...

これは、イラガの繭です!
正確には空繭。
この写真では分かりにくいのですが、羽化した蛾が抜け出した時の裂け目が上部にあります。
蓋のように取れていることもあるのですが、今回はつながっていました。

ヒロヘリアオイラガの空繭は良く見つかるのですが、このあたりでこのイラガの繭が見つかったのは初めて。

せっかくなので、回収。

あちこちきれいにして…


ケースに入れて、完成。
次回のステッチマルシェ等で、展示していこうと思います。

幼虫に刺されると危険ですし、ぜひ知ってほしい身近な虫の一種でもあります。


ところで、「繭」という漢字、何も見ずに書けますか?