ケヤキの種子散布


11月に入りましたが、玉川上水林内はまだまだ緑色。
ところが...

 
日当たりの良い場所の樹木はばっちり紅葉しています。
こちらは、玉川上水駅前のケヤキ

 
美しい鮮やかなオレンジ色!

サクラの仲間は全体的に紅葉が早いのですが、ケヤキの場合、日当たり次第で極端に紅葉具合が変わるイメージ。
街路樹として植えられているケヤキはかなり早くに紅葉するものが多いですね。


さて、本日11月9日はなかなか強風が吹いた一日でした。
そんな日に、ひらひらと空を舞っていたこれ。


ケヤキの小枝です!
いくつかの葉っぱがついた枝。

普通、落葉樹が冬に落葉する場合、葉っぱだけが落ちます。
このケヤキは枝ごと折れてしまったのでしょうか?


実はこれ、ケヤキが種子散布するための戦略なのです!

カエデの仲間など、種に翼がついていて、ひらひらと舞い落ちる樹木もあるのですが、ケヤキにはそんな翼はありません。
その代わりに、小さな葉がついた枝をまるごと落とすのです。


よく見ると、その小枝ごとに数個の果実がついています。

小枝ごと切り離すことで、しっかり風を受け、ひらひらと飛んでいく。
そうすることで、種を遠くまで散布しているんですね!

今日のような強風では、かなりの距離を飛んでいました。

アカボシゴマダラの越冬


エノキの幹にくっついているイモムシ...
アカボシゴマダラの幼虫です!今年も越冬が始まりました。

在来種ゴマダラチョウが木の根元にたまった落ち葉の中で越冬するのに対し、アカボシゴマダラは幹や枝にくっついて越冬することができます。(落ち葉に移動することもある。)


ここ一週間ほどで、あちこちの葉上から姿を消した幼虫たち。
移動していたんですね。


ゴマダラチョウと違い、体は完全な茶色にならず、かなりくすんだ緑色の状態が越冬モード。
背中のトゲと合わせて、エノキの樹皮とは雰囲気がある程度似ています。
注意深く探す人以外には気付かれないでしょうね!

さて、このまま幹で越冬するパターンと、しばらくしたら降りていって落ち葉にくっつくパターンがあるのではないかと思っているのですが...
観察を続けてみます。


アカボシゴマダラの特定外来生物 新規指定スケジュールについて

アオマツムシ


葉っぱの上で休んでいたアオマツムシ!メスです。
なかなか撮影するチャンスがなかったのですが、低い位置で見つけたのですかさず撮影。

マツムシの仲間のような名前ですが、姿はあまり似ていません。


1970年くらいから急激に増えたといわれています。
今では、夜の林や並木道を歩くと、このアオマツムシの声ばかり。
「リー、リー、リー」の大合唱です。

多くの鳴く虫が草地を好むのに対し、このアオマツムシは木の上で生活します。
草原環境は減少する一方ですが、街路樹ならばたくさんある現在。アオマツムシが増えるのも当然のような気がします。

ただ、案外鳥たちの良い食料となっているのかもしれません。



フウセンカズラ

ひと月以上前の話題。
9月の末、玉川上水沿いのフェンスにこんなものが。


ふっくら。ホオズキのようにふくらんだ実。


こちらが葉っぱ。


花は小さくかわいらしい。

こちらはフウセンカズラ
秋に実をつけるつる性植物。ムクロジ科。

日本の在来種ではなく、園芸植物としてあちこちに植えられています。
ここに生えていたものも、残念ながら誰かが勝手に植えたものでしょう。

残念ながら...といいつつ、林内に侵入する気配はあまりなく、林縁のフェンスを覆うことで、林内の乾燥を防ぐカーテンになっていたりします。
「勝手に園芸植物を植える」ことは残念ですが、こういった場所につる植物のカーテンがあることは大事なのです!


種をとりだしたところ。
ハート型の模様が見えます!かわいい。
これが大人気。