クヌギカメムシの産卵

前年度の冬にもよく探した、クヌギカメムシの卵。


今年も発見!

冬にはコナラやクヌギの幹の隙間でこれを探すのがとても楽しい!
案外、自然度の高い林よりも、公園に植えられてあるようなクヌギでたくさん見つかったりします。


そしてこちらは...

産卵する様子!

今まさに産み付けています。
ゼリー状の物質に覆われたたくさんの卵。神秘的。

嫌われがちなカメムシですが、じっくり観察してみると、かわいいものです。

アオマツムシ


葉っぱの上で休んでいたアオマツムシ!メスです。
なかなか撮影するチャンスがなかったのですが、低い位置で見つけたのですかさず撮影。

マツムシの仲間のような名前ですが、姿はあまり似ていません。


1970年くらいから急激に増えたといわれています。
今では、夜の林や並木道を歩くと、このアオマツムシの声ばかり。
「リー、リー、リー」の大合唱です。

多くの鳴く虫が草地を好むのに対し、このアオマツムシは木の上で生活します。
草原環境は減少する一方ですが、街路樹ならばたくさんある現在。アオマツムシが増えるのも当然のような気がします。

ただ、案外鳥たちの良い食料となっているのかもしれません。



カメムシいっぱいの井の頭公園

井の頭公園内を流れる玉川上水沿いで、たくさんのカメムシが見つかりました!

それほど寒さに強い虫というわけではないのですが、成虫越冬する種も多く、秋〜冬にかけてもよく見つかります。


背中のハート模様が人気のエサキモンキツノカメムシ
玉川上水沿いでは比較的よく見つかります。
初夏、夏、秋、どの季節にも見ている気がする。


ハサミツノカメムシ(の仲間)。
ヒメハサミツノカメムシとの見分けが難しい。
今のところ井の頭公園内でしか見たことがない。


アカスジキンカメムシの幼虫。


ツヤアオカメムシ
チャバネアオカメムシと並び、カメムシの定番種?


ハサミツノカメムシ(の仲間)のメス。
メスは大きなハサミがなく、識別はさらに困難!


キマダラカメムシ
最近がんがん増えています。道路沿いの街路樹にもよく付いている。


セアカツノカメムシと思われる。全体的に赤みがある。


機会があれば、匂い比べもしてみたいものである!

くさいイメージが強いカメムシですが、それほど悪い香りではない種もいますよ。

アカボシゴマダラの特定外来生物 新規指定スケジュールについて

アカボシゴマダラの特定外来生物 指定されるのはいつ?




アカボシゴマダラ(奄美亜種を除く)に関する重要なお話です。
(環境省に問い合わせをしました。)

環境省webサイトの「特定外来生物等の新規指定の検討について」内でアカボシゴマダラを含む新規指定種について、「規制開始までのスケジュール」の項目を見ると、平成29年 7月に指定9月頃に規制開始となっています。(9月15日現在。今後情報が更新される可能性あり。)
が、今のところ、このスケジュール通りには進んでいないとのこと。
ヒアリ関連のドタバタも影響しているとか。

ただし、新規指定と規制開始をすること自体はやはり決まっているそうです。
そのスケジュールが今のところ未定という状態。

特定外来生物に指定され、規制がはじまると、「飼養・運搬等」「譲渡」「輸入」等が規制されるようになります
開始後6ヶ月以内に既に飼養等をしているものについても申請が必要ということで、たとえば今現在累代飼育をしていたり、これから越冬する幼虫を飼育している方は、申請が必要になる可能性があります。

もちろん、今現在でもアカボシゴマダラを放蝶すべきではないでしょう
「規制が始まるまでは自由に飼育、放蝶できる」なんていう解釈はとんでもない。

ちなみに、規制が始まると、『許可なく飼養等をした場合(愛がん(ペット)等の目的)』で個人の罰則は、『1年以下もしくは100万円以下』とのこと。
野外に放った場合でも、個人の罰則は『3年以下もしくは300万円以下』です。


ちなみに、運搬はNGですが、捕獲してその場でのリリースならばOKのようです。
観察や調査での一時的な捕獲が罰則につながることはなさそうです。


一つ懸念点は、卵や幼虫の姿がアカボシゴマダラに似ているオオムラサキ(+ゴマダラチョウ)の飼育が盛んに行われているというところです。
ある程度育った幼虫ならば容易に区別できるのですが、たとえばアカボシゴマダラとゴマダラチョウの卵を見分けることはなかなか難しい。若齢幼虫も、若干分かりにくい場合があります。

(この写真はアカボシゴマダラの卵。)
また、アカボシゴマダラが確認されていない地域では、「オオムラサキの幼虫だ!」と勘違いして連れ帰るようなことも起こる可能性があるのではないでしょうか。
規制が始まったことを知らず、SNSやブログなどでアカボシゴマダラを飼育していることを公言してしまうようなことも起こりそうです。


似た生物が身近な場所に同時に生息していて、採集飼育をする人も少なからずいる生物の特定外来生物指定というのは、これまでにない例ではないでしょうか。
規制することに対しては賛成なのですが、想定外のトラブルが発生しないか気になります。 

  成瀬 つばさ『ひみつのゴマちゃん ゴマダラチョウの不思議な生活』
成瀬 つばさ『ひみつのゴマちゃん ゴマダラチョウの不思議な生活』